さいたま市議会議員 てるきな弘志

1. 自治体DXについて

(1) 自治体DX推進度ランキング向上の取り組みついて

時事総合研究所が発表している自治体DX推進度ランキングは、2023年度に全国1位を獲得し、私も一市民として誇らしく感じておりました。しかし、昨年2024年度は、48位と大きく順位を下げました。
「さいたまデジタル八策」を推進し、手続きのオンライン化や、RPA、ローコード、ノーコードツールの導入、デジタル地域通貨の導入など、本市の取り組みが後退したとは考えられず、ランキングの配点をよく確認してみますと、2023年度と評価項目も配点も大きく変わっています。特に、2023年11月に改定された自治体DX推進計画に記載され、総務省も重視している「フロントヤード改革」が新たな評価項目として追加され、本市の点数は33.25点のうち12.8点しか取れていないことが最大の原因なのだろうと思われます。
ランキングにこだわるわけではありませんが、本市として、この結果をどのように受け止め、今後のDX推進施策に活かしていくのか。我々市民は今後のランキング向上を期待していいのかどうか。見解をお聞かせください。

(2) フロントヤード改革としての「書かない・行かない」窓口について

行政事務の内側で進むバックヤードについては、RPAやノーコード、ローコードツールの導入も進みました。また、職員が自律的にRPAのシナリオを作成できるように研修も行われていると聞いております。
しかし、行政と市民との接点となるフロントヤードについては、自治体DX推進度ランキングでほとんど評価されていません。令和7年度から全区展開が予定されている「書かない・行かない」窓口によって、ランキングが向上することが期待されますが、すでに多くの自治体で導入が進み、大きな差がつくとは思えません。
自治体DX推進計画では「書かせない、待たせない、迷わせない、行かせない」とういう方針が示されておりますが、本市の「書かない」窓口のコンセプトについてお伺いします。
また、書かない窓口のターゲット層についてどのように捉えておりますでしょうか。当然全ての市民が対象ではありますが、特に重視しなければならないのは、高齢者や障がい者といった書くことに困難がある層ではないでしょうか。こういった方々はオンライン化への対応にも躊躇しがちですので、書かない窓口が最も喜ばれると思います。例えば、高齢介護課、福祉課、保険年金課などの窓口での手続きについて、「書かない」をワンスオンリーで実現することは可能なのでしょうか。見解をお伺いします。

(3) 「みんなのアプリ」を活用したDX推進について

「さいたま市みんなのアプリ」はデジタル地域通貨で市内にお金を循環させ、市内経済の活性化に寄与するだけでなく、市民IDとして活用することで、さまざまな行政サービスを受けられるようになるのではないでしょうか。例えば、書かない窓口での本人認証や、市内公共施設の利用申請、利用料支払い、市主催の各種講座やイベントの申し込みなど。考えれば、いろんな可能性が広がります。また、地域コミュニティ活性化のために、市民や民間団体が主催するイベントをアプリ内で周知して、参加者を募るなどの使い方もできるのではないかと思います。また、一人暮らしの高齢者が自宅の電球を取り替えてほしいなど何か手伝って欲しいと思った時に、ボランティアを募集し、アプリ内でマッチングし、その対価としてさいコインを個人間送金することもできるのではないでしょうか。
10万ダウンロードを突破したとはいえ、まだまだ使える店も限られており、普及期の段階ではありますが、「みんなのアプリ」を社会インフラとしてスーパーアプリへと進化させていけば、市民生活になくてはならないアプリとしてDX推進にも寄与することができると考えますが、見解をお伺いします。

(4) デジタルデバイド対策について(高齢者・障がい者)

高齢者のデジタルデバイド対策として、地域ICTリーダーを中心にスマホ教室など行っており、自治体推進度ランキングでも高い評価を得ていますが、そもそもスマホを持っていない。持っていてもバージョンが古くて、みんなのアプリをインストールできないといった相談もあると聞いています。そこで、こういった高齢者の抜本的なデジタルデバイド対策として、希望する高齢者にスマホを貸与、もしくは購入補助をすることはできないでしょうか。
岡山県備前市では、希望する全ての市民に3年間「月額209円、36ヶ月で7,524円」で貸与しています。渋谷区は1500人に2年間無料で貸与し、その代わり利用時間やアプリの情報を収集・分析し、より効果的なデジタルデバイド対策の検討に活用しています。
端末の購入費用補助は全国の自治体で広がっています。補助額はだいたい2万円から3万円。すでに持っている人との平等性や費用対効果について検討しなければならないとは思いますが、本市での導入に向けた課題、今後のデジタルデバイド対策の方向性についてお伺いします。
一方でデジタルデバイドは高齢者だけではなく、障がい者にとっても大きな課題となっています。例えば、視覚障害者がスマホを使えないことで、ネットからの情報検索を諦めているという声も聞いています。障害の程度、種類によって、対策も変わってきますが、こうした視覚に不自由があってもスマホを使えるように、スマホ用テンキーキーボードがありますが、これがあればスマホが格段に利用しやすくなります。障がい者の日常生活用具給付制度では「情報・通信支援用具」に分類されますが、基準額が低いために、何か一つソフトウェアを購入すれば、他のものは購入できません。基準額をあげるか、新しい分類を作るかできないでしょうか。
こうした障がい者の社会参加を阻害しているデジタルデバイドを解消するための、サービスや製品は他にも多くあります。そうした情報を障害の種類によって検索したり、情報交換ができるようになることは、障がい者の社会参加を促す大きな効果があるのではないかと思います。他自治体でも同様なサービスが広がっております。本市として、障害者のデジタルデバイド対策にどのように取り組んでいくのかお伺いします。

(5) 広聴のDXとデジタル民主主義について

広聴のDXとして、昨年の代表質問で取り上げた、デジタルプラットフォーム「デシディム」について、今後の方向性についてお伺いします。
デシディムの祖国スペインのバルセロナでは、市民が気軽に提案を書き込み、市の担当者から実現可能性などの返信が必ずくるようになっています。書き込みを見た別の住民がいいねをつけたり、別の意見を述べてオンライン上で議論ができ、デジタルによる住民参加の仕組みとして、市民に根付いています。文化も国民性も違う国での取り組みですが、本市としても、行政と市民の信頼関係を構築し、市民の政治参加を促していくために、大いに参考になるのではないかと思います。
こういったデジタル民主主義の取り組みは、台湾の元デジタル担当大臣オードリータン氏の取り組みで有名になりましたが、国内の自治体でも取り入れるところが増えてきました。毎日新聞の元旦号にも紹介されたLiqlidは日本のスタートアップが開発したプラットフォームで、全国約60の自治体が導入しています。東村山市では地域通貨とシステム連携させ、市民参加を広く促す仕組みが構築されています。
本市として、広聴のDXを今後どのように進めていくのか、見解をお伺いします。

(6) 電子投票について

昨年12月、大阪府四條畷市の市長選挙で8年ぶりに電子投票が実施されました。目立ったトラブルはなく、開票作業は1時間40分で終わり、開票作業に従事する職員の数も約3分の1に減らすことができました。最も大きな効果としては、疑問票・無効票が解消されたことであろうと思います。四條畷市では、今回の実施にあたって、2003年の岐阜県可児市議選のトラブルを考慮して、かなり慎重に実施されたようです。端末をネットワークに接続せず、スタンドアロンで運用。投票データはUSBメモリに保存し、開票会場に運搬する。そこまでして電子投票するのかとも思われますが、他自治体でも実施できるようにモデルケースとして総務省の補助金を受けて、実施したようです。四條畷市の検証結果を踏まえ、本市としても将来的な導入に向けて、検討を始める時ではないでしょうか。見解をお伺いします。

2.SDGs推進について

(1)SDGs先進度調査向上の取り組みについて

日経グローカルが2年に一回調査し、ランキングを発表しているSDGs先進度調査において、さいたま市は2022年度1位でしたが、2024年度は4位。依然として高い評価ではありますが、ランキングを下げたことは事実であり、残念ではあります。
昨年11月には、清水市長はCOP29に参加し、日本の自治体として初めての主催会議となる「E-Kizunaハイレベル会議」を開催し、世界に情報発信するなどリーダーシップを発揮していることは同じ自治体の議員として誇らしく思うところではありますが、本市の取り組みがまだまだ道半ばのものが多いのではないでしょうか。
SDGsといっても、環境だけでなく、経済、社会のそれぞれの分野での取り組みが必要になります。今回の結果を受けての、本市の施策の見直しや、今後のランキング向上への取り組みについて、お聞かせください。
例えば、本市が取り組んでいるSDGs認証制度について、SDGs先進度ランキング1位の愛知県豊田市でも同じような認証制度を設けていますが、評価指標を公表し、達成度に応じてゴールド、シルバー、ブロンズと段階を設け、等級に応じた優遇措置もあり、実効性をともなった制度となっているように感じます。
本市も一つ一つの施策について、さらなる工夫が必要と考えますが、見解をお伺いします。

(2) J-Creditを通じた環境価値の地域還元について

SDGs先進度調査について、再生可能エネルギーの利用、エネルギーの地産地消など、環境分野での取り組みは最も注目されるところであります。本市として、2025年度の新規事業として「ゼロカーボン・生物多様性基金」を創設する予算が組まれ、基金を使ってさまざまな市民・団体・企業の行動変容を促す施策の実現に充てられるのではないかと期待しているところです。
一方、家計部門で導入された太陽光発電の自家消費分の環境価値は見過ごされているのではないでしょうか。余剰電力分は販売され、売電収入が得られますが、自家消費分については、脱炭素に貢献しているにも関わらず、個人の脱炭素にとどまり、社会から評価されていません。この環境価値を評価して、数値化し、国の「J-Credit制度」に基づき、正式に認証されれば、社会全体の脱炭素化への貢献が見える化されます。これを個人で行うには複雑な手続きが必要になりますので、さいたま市が認証手続きを代わりに行い、クレジットを企業に販売すればカーボンオフセットされます。
企業に販売したクレジットは、市の歳入として「ゼロカーボン・生物多様性基金」に繰り入れることで、市民の行動変容を促す、エコアクションポイントなどの事業の原資とすることもできるのではないでしょうか。
また、自家消費分の環境価値を寄付していいただいた家庭にはたまぽんポイントで還元することもできると思います。
さいたま市で生み出された再生可能エネルギーを環境価値化し、地域に還元させる取り組みについて、見解をお伺いします。

(3)生ごみ、紙おむつの再資源化について

この度の八潮市での道路陥没においても、生ごみ等などの有機物から硫化水素が発生して、空気に触れることで硫酸となって下水管を腐食させたと言われています。また、生ごみは水分を多く含むため、回収と焼却に大きな負荷をかけています。紙おむつも同様に、高分子ポリマーに吸収された水分が焼却に大きな負荷をかけています。紙おむつは高カロリーであるため、乾燥して一旦燃焼が始まると、今度は逆に高熱燃焼となり、焼却炉を痛める原因とも考えられています。
こうしたことから、一般廃棄物処理基本計画の改訂版において、紙おむつのリサイクルへの対応が追加されました。水平リサイクルにするのか。分別はどうするのか。課題は多くございますが、例えば、一般廃棄物のうち病院や介護事業所、保育所など、事業者から出るものは分別もしやすいので、それらは水平リサイクルへと回し、家庭から排出されるものについては、生ゴミと一緒にバイオマス燃料へと再資源化してはどうでしょうか。
本市においては、ゴミ発電をベースロード電源として、VPPの仕組みを使い、市内公共施設で地産地消する方向性が示されています。生ごみと紙おむつから生成したバイオマス燃料を助燃剤として投入することで、燃焼効率の向上とバイオマス部分の環境価値化が見込めるのではないでしょうか。装置の導入には費用がかかりますが、いくつかのパターンを想定し、収益のシミュレーションから始めてはいかがでしょうか。見解をお伺いします。

(4)ゴミステーションの衛生環境について

広告付きネットボックスの設置について、前回の代表質問で関係各局との連携を求めましたが、その後の協議状況についてお伺いします。再度の説明になりますが、ネットボックスは、カラスによるゴミの散乱を防ぎ、衛生環境の維持に寄与することが期待されます。また、広告付きにすることで、市民負担ゼロで設置できることも大きな利点です。
多くのゴミステーションは道路にかかっていても、歩行者の通行を妨げるようにはなっておりません。そこに、ネットボックスを設置することで、ネットを折りたたむ市民負担の軽減にもつながります。
実際の設置は個別の判断となると思いますが、これまで行われてきた協議状況を踏まえ、今後の見通しについてお聞かせください。

3.地域公共交通と持続可能な社会の実現に向けて

(1) 地域公共交通のSUMP化について

SUMP (Sustainable Urban Mobility Plan)は、ヨーロッパで2013年に策定された都市交通の計画策定のための指針で、ヨーロッパ以外の国も含めて世界1000以上の都市でSUMPによる計画策定が進められています。日本の地域公共交通計画との大きな違いは、持続可能なまちづくりを目的とし、そのための手段として交通計画があり、その実現のために、他の施策とパッケージで計画されています。住み心地のよい持続可能な地域づくりに向けて、理想的な土地利用のあり方や空間のあり方を実現するための重要な政策ツールとして公共交通が位置づけられています。「お客がいるからたくさん走らせよう」「お客がいないから便数を減らそう・運行をやめよう」というような、日本の公共交通機関に対する発想とは真逆です。
そういった視点で、本市の総合都市交通体系マスタープラン基本計画(さいたまSMARTプラン)を見ると、「アクセス性の高い交通体系」や「機関交通ネットワークの強化」「鉄道駅周辺のアクセス性向上」などがうたわれ、バラ色の未来が描かれていますが、いつ実現するのか、どのように実現するのか、そして財源をどうするのか、まったく見えてきません。理想が理想のまま、絵に描いた餅になってしまわないかと危惧いたします。本市の目指す姿を誰と共有しているのか。行政が立てた目標にすぎないのか?事業者、市民と共有できているのでしょうか。
SUMPにおいては、計画の初期段階から、地域が持続可能になるためには何が必要かと考える機会を多く設け、市民の理解を深めるプロセスが重要視されています。そして、事業者とは必要なサービスの提供を義務付けるPSO契約を結びます。官民が一体となって、持続可能な地域社会の構築を目指し、多くの国で成果が現れています。
一方、本市では、例えば私が6年前の6月定例会で提案したMaaSについて、MaaS協議会ができ、広域的なMaaSの構築を目指すという答弁もありましたが、その後は何回か協議会が開かれただけで、具体的に進む様子は見られません。また市内でのMaaSについてもライフサポート型MaaSとして令和6年中の社会実装を目指すとされていましたが、進捗している様子は見られません。少なくとも生活実感として公共交通が便利になったという認識はありません。
地域公共交通計画を実効性のある計画として機能させていくためにも、持続可能な社会を築くという目的のもと、具体的な施策に落とし込み、モニタリングまで組み込んだサイクルを築かなければならないではないでしょうか。そのためにはSUMPの考え方が非常に有効であると考えます。さいたまSMARTプランの改定に向けて、こうした考え方が背景にあるのか、どれほど反映されているのか、改定の方針についてお伺いします。

(2) 多様な交通モードの共存について

さいたまSMARTプランには、鉄道、路線バスのほか、コミュニティバス、乗合タクシー、デマンド交通、タクシー、カーシェアリングなど多様な交通モードの導入が示されています。最近ではグリーンスローモビリティの導入も検討されています。本市の多様性を考えれば、それぞれの地域の特性に応じて、移動目的にあった交通モードが選択できるようにならなければなりません。ちょっとそこまでならグリーンスローモビリティでもいいでしょうか、もう少し遠くまでなら、AIデマンドやコミュニティバス、鉄道駅との行き来には路線バスになるのでしょうか。誰一人取り残さない公共交通サービスを実現するために、多様な交通モードの導入は必要不可欠です。そして、これらの交通モードがお互いに干渉し合うことなく、相互依存できるようにするためには、MaaSによる経路検索・決済の統合は欠かすことはできないと考えますが、見解をお伺いします。また、多様な交通モードを導入すればするほど、多様なステークホルダーが存在することになります。特に事業者との協議の進捗についてもお伺いします。

(3) 交通費助成「おでかけ支援」制度について

交通費助成「おでかけ支援」制度については、これまでにも導入を求めてきました。超高齢社会に向けた公共交通のあり方検討特別委員会での報告には「運賃助成制度についての効果は限定的」との記述がありましたが、これを持って、運賃助成、交通費助成はもう検討に値しないとの認識なのでしょうか。効果は限定的ということであれば、効果のある層に限定して導入をすすめればいいのではないかと考えますが、見解をお伺いします。
SUMPの考え方に従えば、持続可能なまちづくりを進めるために、自家用車から公共交通の分担率を高めることが求められます。先ほども申し上げた多様な交通モードを共存させ、公共交通へのシフトを図ること。そのためには、交通費助成は必要な施策と考えます。エストニアの首都タリンやルクセンブルクでは無料になっています。そこまでではないにしても、ドイツでは月約7000円で乗り放題のD-チケット。オーストリアは約15万円で1年間乗り放題の気候チケットが販売されています。コロナ禍で公共交通の利用者減に直面したのはヨーロッパでも同じですが、公共交通へのシフトを積極的に進めています。
交通運賃と公共交通の持続可能性の関係についていえば、岡山のあるバス会社は運賃100円で黒字経営を達成しています。この会社の場合は補助金を受け取らずに経営努力によるところが大きいのですが、交通費助成をすることで、運賃を値下げすることが、利用者を増やし、公共交通の持続可能性にプラスの影響を与える実例と言えるのではないでしょうか。また、MaaSが実装されれば、ドイツやオーストリアのように定額で乗り放題のチケットの販売も可能になり、高齢者割引することで、交通費助成を実現することはできると思いますが、見解をお伺いします。

4.認知症フレンドリーなまちづくりについて

(1) 認知症の人にもやさしいデザインについて

昨年7月、本市にも認知症フレンドリーまちづくりセンターが開設されて、認知症になっても住み慣れたまちで、住み続けられるまちづくりを目指していく拠点ができたものと認識しています。
認知症フレンドリーなまちづくりを進めるにあたって、センターには「知る」「学ぶ」「活動する」「交流する」の機能が示され、それぞれについての具体的な施策が進められるものと期待していますが、その前提となる環境づくりとして、認知症の人にもやさしいデザインを進めていくことが必要ではないでしょうか。
ユニバーサルデザインが公共施設を中心に進められていることは理解しておりますが、もう一歩踏み込んで、認知機能が低下した人でも見やすく、記憶に頼らずに目的地に行くことができるデザインを目指し、安心して外出できるような環境を公共施設だけでなく、民間施設も含めて、構築する必要があるのではないでしょうか。トイレのドアの色が分かりやすく、サインも大きく表示はされていますが、サインの位置、床とトイレの色は統一されているか、床と壁の色は区分されているかなど、細かく見ていけば、さらなる工夫の余地はあるかと思います。先日、視察してきた福岡市では、認知症の人がより過ごしやすい環境を整える30のポイントをまとめて「認知症の人にもやさしいデザインの手引き」を作成して、公共機関だけでなく、民間の介護施設や一般家庭でも取り入れられるようにしています。本市でも同様な取り組みができないか、お伺いします。

(2) ユマニチュードの普及について

認知症フレンドリーなまちづくりを進めるにあたって、認知症に対する理解を深め、接する時の心構えについて知ることはもちろんですが、具体的な接し方について、その技術を学ぶことも必要ではないでしょうか。その技術について、フランスで開発されたユマニチュードという技法があります。昨年の6月定例会で谷中議員、9月定例会で斉藤議員からも、質疑がございましたが、他の介護手法も合わせて、周知、普及に積極的に取り組んでまいりたいと思いますとの答弁でした。
今後の普及に向けての取り組みについてお伺いします。また、研究しますとの答弁もございましたが、実際にユマニチュードについて研修、体験などは行ったのかお伺いします。実際にユマニチュードを経験した人は、初めは魔法のように感じていたが、技術を学ぶことで、科学的根拠に基づいて開発されていることを理解したと言います。フランスでは、病院や介護施設において向精神薬の処方量が88%も減ったとのエビデンスもございます。医療費削減にも寄与するほか、向精神薬に頼らないケアができれば、介護者、被介護者双方にとって健康的で快適な関係を築くことができるのではないでしょうか。見解をお伺いします。

5.単身高齢者が安心して生活できるように

(1) 単身高齢者向けサービスのトラブル対応について

単身高齢者向けのサービスとして、「身元保証」「財産管理・日常生活支援」「死後事務」とありますが、単身高齢者が民間サービスを利用する際、高額な契約金、サービス利用に際しての追加費用、解約時の低い返金率などトラブルが増加しています。
認知機能が低下した高齢者については成年後見人の制度がありますが、家族のいない健康な高齢者は頼れる公的なサービスが多くありません。そうした高齢者の支援を模索する自治体も出てきました。
静岡市では、2024年1月から優良事業者の認定制度を始めました。
大阪府枚方市では、2024年10月に市民税非課税で預貯金が500万円以下の単身高齢者を対象に死後事務などを担うサービスを始めました。厚労省が始めた身寄りのない高齢者の日常生活や死後事務などを支援する自治体の費用を一部補助するモデル事業として行われているものです。
国においても2024年6月、事業者が守るべき指針を公表。9月には「高齢社会対策大綱」を改定し、身寄りのない高齢者の支援を明記しています。
本市においても具体的な施策について検討すべきと思いますが、見解をお伺いします。

6.与野中央公園の整備について

(1) ネイチャーポジティブな公園整備について

与野中央公園は、見沼田んぼと荒川を結ぶ水と緑の回廊である高沼用水の間に位置する緑の拠点です。今後予定されている与野中央公園の整備について、本市の整備計画にも「緑の拠点の強化」が謳われており、生物多様性の損失を食い止め回復させるネイチャーポジティブな公園整備を進めていくことが求められますが、見解をお伺いします。
一方で、市民から懸念の声が聞かれる次世代型スポーツ施設について、12月定例会終了後の21日、中央区選出の5人の議員で開催したオープンミーティングでは、軟弱地盤への設置について、また車の出入りが増えることによる子どもの安全についての懸念が示されました。まずは、これらについての見解をお伺いします。また、「緑の拠点」として整備される与野中央公園との整備方針との整合性についてお伺いします。どのような施設になるかは、事業者からの提案を待つしかありませんが、事業者提案の緑化計画が不十分な場合、要求水準書に示されている「与野中央公園内の緑地との調和を図ること」「屋上・壁面も含めた多様な緑化を積極的に行うこと」に合わせて、本契約締結前に事業者と調整することは可能なのでしょうか。オープンミーティングでお示しした早稲田アリーナや、Asueアリーナ大阪、中国の衢州スタジアムなどを参考に、市民に自信を持って報告できる施設を目指してもらいたいと思いますが、見解をお伺いします。