
公明党さいたま市議会議員団の照喜納弘志でございます。
本年、さいたま市は誕生から25周年という大きな節目を迎えます。
しかし、私たちは今、人口減少と超高齢化という、かつてない時代の転換点に立っております。次の25年、50年を見据えたとき、誰一人取り残すことなく、全ての市民が希望を持って暮らせる「選ばれる都市」であり続けられるのか。その真価が問われているのが、今この瞬間であります。
本日は、そうした危機感と責任感を胸に、市政が直面する重要課題に対し、具体的かつ建設的な提案を行ってまいります。
それでは、通告に従いまして、順次質問いたします。
1. 行財政運営とDXの推進について
(1) AIの積極活用による業務効率化と市民サービスの向上について
まず、大項目1点目、行財政運営とDXの推進について、(1)AIの積極活用による業務効率化と市民サービスの向上について伺います。
総務省が公表した「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック」においても、人口減少社会における自治体運営の変革の鍵として、生成AIの活用が強く推奨されています。
AI技術の進化は日進月歩であり、もはや「使うか使わないか」を議論する段階は過ぎ、「どう使いこなして、どのような価値を生み出すか」を実行するフェーズに入っています。
このAI活用について、単なる内部事務の効率化にとどめることなく、「市民生活の質の劇的な向上」と「職員の専門能力の最大発揮」という両輪で、強力に推進すべきと考えます。
まず、市民利用の側面からのアプローチです。
近年、市民のライフスタイルは多様化し、行政へのニーズも複雑化していますが、窓口の開庁時間や電話対応のリソースには物理的な限界があります。この壁を突破するために、最新のAI技術を市民サービスの最前線に実装すべきです。
例えば、兵庫県神戸市では、生成AIを活用した「ボイスボット(音声対話システム)」の実証実験を行っています。これは、電話での問い合わせに対し、AIが人間のように自然な会話で対応し、必要な手続きを案内したり、予約を受け付けたりする仕組みです。これならば、スマートフォンの操作が苦手な高齢者であっても、使い慣れた電話を通じて、24時間いつでもDXの恩恵を受けることができます。
さらに、区役所の総合案内等への「アバターによるAIコンシェルジュ」の設置です。
最近、人型ロボットなどの「物理AI」の開発が話題になっており、近い将来にはAI職員も誕生するかもしれませんが、まずは、多言語対応も可能なAIアバターが、来庁者の用件を聞き取り、適切な窓口へ案内したり、簡単な申請を受け付けたりすることで、外国人市民を含む全ての来庁者へのサービス向上が図れます。
また、山形市のように、市民の孤独・孤立対策として、24時間いつでもAIキャラクターに悩みを相談できる「傾聴型生成AI」サービスも有効です。
本市においても、単なる手続き案内だけでなく、市民の不安や悩みに寄り添い、多言語で対応できる、まさに「コンシェルジュ」としてのAI活用を積極的に進めるべきです。
第二に、行政職員利用の側面からのアプローチです。
文章作成や要約の補助といった使い方はもはや当たり前ですが、これからは一歩進んで、「専門業務への適用」が焦点となります。
ガイドブックの事例にもある通り、神奈川県横須賀市では、福祉相談の記録作成業務においてAIを活用しています。個人情報を保護した安全な環境下で、相談内容の要約や記録作成をAIに行わせることで、職員の事務負担を劇的に軽減し、その分、相談者と向き合う時間を増やしています。
また、山口県山陽小野田市では、市の膨大な「例規集」や過去の「議会会議録」、総合計画などの独自データをAIに学習させ、答弁案の作成支援や新規事業の企画立案に活用しています。
本市においても、こうした「RAG(ラグ)」と呼ばれる、内部データを読み込ませて回答精度を高める技術を活用し、職員が膨大な資料探しや下書き作成から解放され、「人間にしかできない高度な判断」や「温かみのある対人支援」に注力できる環境を早急に構築すべきです。
総務省の指針も踏まえ、市民サービスの向上と職員の働き方改革、その双方に具体的なメリットをもたらすAI活用の将来ビジョンについて、見解を伺います。
(2) 「さいたま市みんなのアプリ」を活用した公共施設予約等の利便性向上について
次に、(2)「さいたま市みんなのアプリ」を活用した公共施設予約等の利便性向上について伺います。
本市独自の市民ポータル「さいたま市みんなのアプリ」がリリースされ1年半が経過し、多くの市民が利用するようになりました。市民生活のDXを進めるツールとして、これまでにも様々な機能の提案をしてきましたが、市民が日常的に使うツールへとさらなる進化を促すために、公民館やコミュニティセンター等の公共施設予約システムを実装してはどうかと考えます。
現在のシステムは、ウェブブラウザでの操作が中心でスマートフォンに対応しておらず、「画面が見づらい」「操作しにくい」といった使い勝手の悪さが指摘されています。また、予約はできても、支払いのために窓口へ行く必要があったり、公共施設の種類別に利用者登録をしなければならなかったり、鍵の受け渡しのアナログな手間が残っていたりと、課題は山積しています。
先進事例として、福岡市では、LINEを活用した予約システムに加え、施設のドアに「スマートロック」を導入することで、予約からキャッシュレス決済、そして当日のスマホによる解錠までを、誰とも会わずに完結させる実証実験が行われています。また、大阪府豊中市でも、スマホ完結型の予約システムを導入し、市民の利便性を大幅に高めています。
本市においても、来るべきシステムの更新に合わせて、こうした一気通貫の仕組みを構築すべきです。
その際、「みんなのアプリ」の中に予約機能を直接実装するのか、あるいは利便性の高いウェブアプリとして再構築し、「みんなのアプリ」からシームレスにリンクさせる形をとるのか、どちらかの方法になるかと思いますが、いずれにせよ、市民にとって最も使いやすく、管理コストも削減できる形での再構築を求めます。今後の方向性とスケジュールについて、見解を伺います。
(3) 未来への投資を支える戦略的な財源確保策について
行財政運営の最後に、(3)未来への投資を支える戦略的な財源確保策について伺います。
DXの推進、公共施設の老朽化対策、そして待ったなしの少子化対策など、将来にわたる多額の財政需要に応えていくためには、既存の税収のみに頼るのではなく、金融の手法を用いて「資産を賢く増やす」、そして外部から「資金を呼び込む」という、戦略的な財政運営への転換が不可欠ではないでしょうか。
先日の12月定例会における服部議員の質問に対し、市側からは「減債基金の債券運用(ラダー型運用)を開始し、従来の普通預金と比べて1%以上の収益増を見込んでいる」との前向きな答弁がありました。
これまで「ただ預けておくだけ」だった公金を、リスク管理を徹底しつつ運用に回し、利回りを稼ぎ出すという、インフレ時代に対応した改革に着手したこの判断を、評価いたします。
この成功体験を第一歩として、さらに踏み込んだ「さいたま市版ソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)」とも言うべき、本格的な公的資金運用の仕組みを構築すべき時です。その現実的な構築に向け、3つの視点から提案します。
第一に、「原資の確保」です。
現在運用を始めた減債基金だけでなく、財政調整基金などの余剰資金を統合的に管理・運用するポートフォリオを組むべきです。さらに将来的には、環境対策に使途を限定した「グリーンボンド」や、社会的課題の解決に連動した「ソーシャル・インパクト・ボンド」など、市場から資金を調達し、それを原資に組み入れることで、規模のメリットを活かした効率的な運用を目指すべきと考えます。
第二に、「運用主体」の専門化です。
高度な金融運用には、専門的な知識と経験が不可欠です。市の職員だけで担うのではなく、外部から実績のある金融専門家(ファンドマネージャー等)を登用した専門部署を立ち上げる、あるいは官民連携による運用機関を設置するなどして、ガバナンスを効かせながら、リスクとリターンの最適なバランスを追求できる体制を整えることです。
第三に、「出口戦略」です。
運用で得た利益を、単に基金に積み増して終わるのではなく、「何に使うか」を明確に市民に示すことが重要です。国会においては、(仮称)ジャパンファンドの運用益で消費税の軽減税率をゼロにすることができるとの財務大臣の答弁もあり、その期待値が高まったことは記憶に新しいと思います。本市においても、例えば、「こども若者応援基金」や「DX推進枠」といった目的別の枠組みを設け、運用の果実が直接、市民サービスの向上や未来への投資に還元される仕組みを作ることで、市民の理解と期待も高まるのではないでしょうか。
「貯蓄から投資へ」という流れは、家計だけでなく、自治体財政にも求められています。
基金運用で得た手応えを、こうした「稼ぐ財政」への構造改革へと発展させるべきと考えますが、見解を伺います。
2.持続可能な公共交通のあり方について
(1) 生活圏交通(いわゆる「葉の交通」)の充実とラストワンマイルの解消について
続いて、大項目2点目、私のライフワークとも言うべき公共交通について、(1)生活圏交通(いわゆる「葉の交通」)の充実とラストワンマイルの解消について伺います。
ドライバー不足による「2024年問題」の影響は深刻で、市内でもバス路線の減便や廃止が相次いでおり、市民の足を守ることは喫緊の課題です。
鉄道を「幹の交通」、バス路線を「枝の交通」とするならば、そこから個々の自宅や生活圏へ伸びる「葉の交通」、いわゆるラストワンマイルの維持・充実は、市民の生存権に関わる問題です。
本市では昨年、「生活圏交通プランナー育成プログラム」を実施し、地域交通の担い手となる市民の育成に取り組みました。私は後日、そのアーカイブ動画を視聴いたしましたが、地域の現状を熟知した参加者たちから、それぞれの地域特性に合わせた具体的で熱意あるプレゼンテーションが行われており、大変感銘を受けました。
これらの提案からも明らかなように、「葉の交通」には万能な正解はありません。地域の実情や地形、利用者の属性に応じて、多様な交通モードを柔軟に組み合わせる「ベストミックス」こそが重要です。
この観点から、今後の導入可否について、具体的に4つの交通モードを取り上げます。
第一に、AIデマンド交通です。
本市でも実証実験が行われていますが、利用者の利便性と事業採算性のバランスが常に課題となります。しかし、長野県茅野市の「のらざあ」のように、AIによる最適ルート生成で相乗り効率を極限まで高め、学校や病院送迎の主軸として定着させている成功事例もあります。本市の実証実験の結果を詳細に分析し、本格運行へ移行するための明確なロードマップをお示しください。
第二に、タクシーの相乗り(シェア)サービスです。
これについては、昨年、実際に東京都渋谷区へ視察に伺いました。
渋谷区では、タクシー配車アプリを活用したデマンド交通の実証実験を行っており、区内に約700箇所もの乗降スポットを設け、きめ細やかな移動網を構築していました。これは、AIデマンド交通の発展形とも言えるモデルです。
本市においても、国のライドシェア議論の行方のみを注視するのではなく、まずは既存のタクシー車両を活用したこうした「相乗りモデル」を導入し、市民が安価で手軽に移動できる手段を早急に確保すべきです。
第三に、グリーンスローモビリティです。
道幅が狭く、一般的なバス車両が入れない住宅密集地では、時速20km未満で走る電動カート「グリスロ」が極めて有効です。千葉県松戸市や石川県輪島市では、地域住民が主体となって運行し、高齢者の買い物や通院の足としてだけでなく、車内での会話が弾むコミュニティの場としても機能しています。本市においても実証実験が行われておりますが、今後も地域主体の交通モードとして、導入を強力に支援すべきです。
第四に、未来を見据えた交通手段として、「自走式ロープウェー」の導入検討を提案します。
福島県南相馬市では、次世代交通システムとして「Zippar」という都市型ロープウェーの実験施設の設置を進めています。これは、従来のロープウェーとは異なり、ロープとゴンドラが自走する技術を組み合わせたもので、カーブや分岐が自由に設計できるのが特徴です。用地買収が不要で道路上空を活用でき、建設費はモノレールの約5分の1、自動運転で人件費も抑えられます。
渋滞の影響を全く受けず、病院や集客施設など駅と離れた重要拠点を結ぶ新たな中量輸送システムとして、研究・検討を行う価値は十分にあると考えますが、見解を伺います。
(2) 地域交通の結節点となる「モビリティハブ」の構築について
次に、(2)地域交通の結節点となる「モビリティハブ」の構築について伺います。
多様な交通モードをつなぐ「モビリティハブ」の整備は、公共交通ネットワークの利便性を高める上で不可欠です。
私は、このハブを単一の規格で整備するのではなく、駅前などの「広域拠点(ラージハブ)」から、地域生活の「身近な拠点(スモールハブ)」まで、機能や規模に応じて市内全域に重層的に配置することが重要であると考えます。
その上で、市民の生活圏に最も近い「スモールハブ」の具体的な展開として、市内に点在する「コンビニエンスストア」を活用してはどうでしょうか。
コンビニは24時間営業で照明があり防犯面でも安心な上、多くは駐車場も備えています。ここに、バスやデマンド交通の待合所、シェアサイクルや電動キックボードのポート、さらには宅配ロッカーなどを集約させます。
大規模な乗り換えターミナルと、こうした身近なコンビニハブをネットワークで結ぶことで、ラストワンマイルの課題は大きく改善します。
福岡市などでもコンビニを活用した実証実験が行われています。本市においても、コンビニ事業者と連携協定を結び、Wi-Fiやベンチの整備を市が支援するなど、大小のハブを組み合わせた重層的な交通網を構築すべきと考えますが、市の見解を伺います。
(3) 高齢者の移動を支える「敬老パス」の共通化及び利便性向上について
次に、(3)高齢者の移動を支える「敬老パス」の共通化及び利便性向上について伺います。
現在の制度では、バス事業者ごとにパスが分かれており、同じ路線であってもバス会社が違えば使えないというのは、どう考えても利用者にとって不便です。「使い勝手が悪い」という大きな声にはなっていなくとも、制度としての非効率さは明らかです。
この課題を解決し、共通化を実現する鍵となるのが「デジタルチケット」です。
スマホアプリや既存のICカードと連携したデジタルチケットであれば、大規模なシステム改修コストを抑えつつ、事業者の垣根を超えた共通化が可能です。
さらに、このパスの利用対象を、路線バスだけでなく、先ほど提案したAIデマンド交通やタクシーといった、いわゆる「葉の交通」にも広げることで、自宅から「葉の交通」でバス停などの「枝」へ、そして鉄道などの「幹」へとつながる連携がスムーズになり、移動の断絶が解消されます。
単なる運賃助成にとどまらず、敬老パスのデジタル化と共通化を通じ、市民目線に立った「MaaS」の実現へと踏み出すべきと考えますが、見解を伺います。
(再質問)
「コミュニティバス等導入ガイドライン」に代わる「(仮称)再構築ガイドライン」についての答弁がございましたが、一番の懸念点は運行継続・廃止の基準です。現状、収支率40%が基準とされていますが、市民の生存権にも関わる重要な生活圏の交通モードが、収支率だけで廃止されてしまうことは、市民を置き去りにしてしまうことにもなりかねません。策定中の「再構築ガイドライン」において、基準を見直すべきだと考えますが、見解をお伺いします。
3.未来を拓く教育と子育て支援の充実について
(1) 「小1の壁」打破に向けた小学校での朝預かりと朝食提供(品川区モデル)について
次に、大項目3点目、教育と子育て支援について、(1)「小1の壁」打破に向けた小学校での朝預かりと朝食提供(品川区モデル)について、伺います。
共働き世帯にとって、子どもが保育園から小学校に上がった際の「小1の壁」、特に登校時間の調整は深刻な悩みです。保育園時代は早朝から預かってもらえましたが、小学校では登校時間が遅くなるため、親の出勤時間に間に合わないという問題が発生します。
ここで、東京都品川区が実施している「しながわ活力応援給食」、いわゆる朝の預かりと朝食提供の事例を紹介させていただきます。
品川区では、全区立小学校で朝8時から児童を受け入れ、希望者には温かい朝食を提供しています。保護者の負担は食材費相当分の250円程度のみで、人件費等は区が負担しています。
これにより、保護者は安心して出勤でき、子どもたちは生活リズムが整い、授業への集中力も向上したとの報告があります。また、家庭の事情で朝食を食べられない子どもへのセーフティネットとしても機能しており、教育的・福祉的効果は極めて大きいものがあります。
本市においても、この「品川モデル」を参考に、小学校での朝の居場所づくりと朝食提供をセットで実施すべきです。見解を伺います。
(2) 保育園の完全無償化に向けた取組と保育の質の向上について
次に、保育園の完全無償化について伺います。
子育て世帯の経済的負担軽減のため、保育料の完全無償化はまだ道半ばです。本市においても、多子世帯への軽減強化など、独自助成により無償化の対象を広げている点は一定評価いたします。
しかし、東京都では、所得制限や第1子の要件を撤廃し、0歳から2歳児の保育料を無償化しています。その結果、東京都では減少傾向にあった出生数が10年ぶりに増加に転じるという明るいニュースも報じられました。埼玉県内でも深谷市が令和5年4月から完全無償化を実施しています。
「国の制度改正を待つ」という姿勢では、少子化のスピードには勝てません。むしろ、地方自治体が先行してモデルケースを作ることで、国の制度導入を促す方が、結果として全国的な無償化への近道となります。他市での導入が進む中、本市が「子育てしやすい選ばれる都市」であり続けるためには、東京の事例を参考に、全ての0歳から2歳児を対象とした完全無償化を目指すべきです。
ただし、ここで忘れてはならないのが、保育の質の問題です。「幼児教育の無償化を進めた結果、保育の質が低下しては意味がありません」。現場の保育士が疲弊し、離職が相次ぐようでは本末転倒です。
保育の質を担保するためには、保育士の処遇改善が不可欠です。給与の上乗せやICT活用による業務負担軽減など、保育士に選ばれるさいたま市の環境づくりについて、本市の取り組みを伺います。
(3) グローバル人材の育成を目指した交換留学制度の導入について
次に、(3)グローバル人材の育成を目指した交換留学制度の導入について伺います。
次代を担う子どもたちには、教科書の中だけでなく、実際に世界を肌で感じる経験が必要です。
文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」などもありますが、自治体独自で、姉妹都市や友好都市との関係を活かした交換留学制度を創設してはいかがでしょうか。
本市の生徒を送り出すだけでなく、海外からの「留学生の受け入れ」も積極的に行うことで、留学に行けなかったとしても、さいたま市の子どもたちが身近な場所で異文化交流ができる貴重な機会となります。さらに、さいたま市で学んだ留学生が、将来、母国で本市の良さを伝えるアンバサダーとなってくれれば、さいたま市が「世界から選ばれる都市」になることにもつながります。
そして、本市の生徒を送り出す際には、単なる数週間の短期語学研修にとどまらず、年単位での「長期留学」を後押しする仕組みが必要です。
長期留学の最大の懸念材料は、帰国後の留年や進学への影響です。そこで、海外の学校で取得した授業の単位を、本市の学校の単位として認定し、留年することなく帰国後すぐに元の学年に復学できる制度の整備を強く求めます。
経済的な支援に加え、こうした学習面での制度的なバックアップを行うことで、意欲ある生徒がリスクを恐れずに世界へ挑戦できる環境を整えるべきです。見解を伺います。
4.誰もが安心して暮らせる地域福祉の実現について
(1) 「高齢者くらし安心事業」におけるDXの推進について
続いて、大項目4点目、誰もが安心して暮らせる地域福祉の実現について、(1)「高齢者くらし安心事業」におけるDXの推進について伺います。
まず、本市独自の「高齢者くらし安心事業」は身寄りのない高齢者にとって重要なセーフティネットとも言えますが、課題は、事業実施主体である社協の現場負担もさることながら、これだけ高齢者の一人暮らしが増えているにも関わらず、事業があまり使われていないという実態ではないでしょうか。
ニーズは高いはずなのに、利用が進まない。この事業を持続可能で、より多くの市民に使われる事業へと進化させるためには、サービス提供基盤そのもののDX化が必要です。
本市では既に、水道局において「水道スマートメーター」の導入に向けた実証実験が行われています。水道の使用量が長時間ない場合にアラートを出す仕組みは、プライバシーを侵害せずに安否確認ができる有効な手段です。
今後は、このスマートメーターの活用に加え、居室内の非接触センサーやAIによる解析技術も視野に入れ、より幅広く、かつ高精度な高齢者の見守り体制を構築すべきです。
また、こうしたDX化と併せて重要なのが、「官民連携プラットフォーム」の構築です。行政や社協だけで全てを抱え込むのではなく、弁護士、司法書士、行政書士や、死後事務を行う民間事業者などが連携し、役割分担をしながら高齢者を支えるエコシステムを作るべきです。国のモデル事業なども活用し、こうした官民連携とDXを組み合わせた実証実験を行うべきと考えますが、見解を伺います。
(2) 介護人材不足対策としての隙間時間ボランティア(スケッター等)の活用について
次に、(2)介護人材不足対策としての隙間時間ボランティア(スケッター等)の活用について伺います。
介護現場の人手不足は深刻で、職員は日々の業務に追われ疲弊しています。しかし、現場には「身体介助などの資格が必要な仕事」以外にも、「お茶出し、話し相手、レクリエーションの補助、清掃、配膳」など、資格がなくてもできる仕事がたくさんあります。
そこで、こうした「周辺業務」と、地域住民の「隙間時間」をマッチングする仕組み、「スケッター」というサービスの導入です。
現在、このスケッターと連携協定を結ぶ自治体が全国で加速しています。実際に導入した施設では、介護職員が専門業務に集中できるようになり、残業時間が削減されたというデータもあります。また、参加する市民にとっても、介護現場を知るきっかけとなり、将来的な就労や、自身の健康づくり・社会参加につながります。
さいたま市としても、事業者と連携協定を締結し、市内の福祉事業所がこの仕組みを円滑に利用できるよう環境を整備すべきと考えますが、見解を伺います。
(3) 障がい者の工賃向上と就労支援の拡充について
次に、(3)障がい者の工賃向上と就労支援の拡充について伺います。
就労継続支援B型事業所の工賃は、全国的にも低い水準にありますが、本市の平均工賃についても月額約2万2千円程度で全国平均よりも若干低い水準にあります。障がいのある方が尊厳をもって地域で自立して暮らすには程遠い現状があります。
先日、この課題解決に取り組む福岡市と長崎市を視察してまいりました。
福岡市では、「障がい者工賃向上支援センター」を設置し、民間企業出身のプロが施設の代わりに営業を行う「営業代行機能」を導入しています。これにより、現場職員は利用者のケアに専念でき、工賃倍増に向けた成果を上げています。
また、長崎市では、駅前の集客施設で大規模な「障害者雇用促進フェスタ」を開催し、企業と事業所を直接マッチングさせることで、新たな仕事の創出や一般就労への移行を実現しています。
本市においても、各施設の自助努力に任せるのではなく、市が主導して「共同受注窓口」や「営業支援センター」を設置し、民間企業の仕事を組織的に獲得する仕組みを作るべきです。また、大宮駅周辺やさいたまスーパーアリーナ等の集客力を活かした大規模なマッチングイベントを開催し、工賃の抜本的な引き上げを図るべきと考えますが、見解を伺います。
(4) 里親制度の普及促進と「週末里親・季節里親」の導入について
次に、(4)里親制度の普及促進と「週末里親・季節里親」の導入について伺います。
さいたま市では、多くの市民の方々が里親登録をしてくださっており、全国的にも充実した体制が構築されています。
しかし、課題もあります。親の急死や虐待などで、やむを得ず児童養護施設に措置入所となった児童の中には、転校を余儀なくされ、それまで暮らしていた地域社会から引き離されてしまう子どもたちも少なくありません。実際に私も市民相談を受けたことがあります。
施設での生活も大切ですが、継続的に地域社会や家庭的な温かさとのつながりを保つことが、子どもの健全な育成には不可欠です。
そこで、「週末里親」や「季節里親」の導入を進めてはいかがでしょうか。
これは、週末や夏休みなどの数日間だけ、施設で暮らす子どもを家庭に迎える制度です。これなら、いきなり長期の養育を行うのはハードルが高いと感じる家庭でも参加しやすく、子どもたちにとっても、特定の大人との信頼関係を築き、家庭生活を体験する貴重な機会となります。市民相談を受けてから、制度の導入検討を求め、会派として毎年の予算要望に入れてきました。
地域全体で子どもを育む土壌を作るためにも、この「週末里親・季節里親」制度を積極的に導入・PRすべきと考えますが、見解を伺います。
5.魅力ある都市基盤整備と地域活性化について
(1) 大宮駅GCS化構想の今後の取組とスケジュールについて
大項目5点目、都市基盤整備と地域活性化について、まず(1)大宮駅グランドセントラルステーション(GCS)化構想の今後の取り組みとスケジュールについて伺います。
先月の特別委員会において、第6回大宮GCSまちづくり調整会議の報告がありましたが、市民や権利者の間には、検討の長期化や、昨今の建設資材高騰による事業遅延への懸念が広がっています。
事業を前に進めるエンジンは「信頼」と「納得」です。権利者の方々が具体的な将来像を描けるよう、これまでの行政主導の基盤検討から、民間活力、すなわち再開発準備組合等との連携をさらに強化するフェーズに移行すべきです。
調整会議での意見をどう受け止め、今後どのようなスケジュール感で、官民一体となったまちづくりを進めていくのか、市の見解を伺います。
(2) と畜場移転再整備の中止に伴う「建設予定地」の戦略的活用について
次に、と畜場の移転再整備の中止に伴う「建設予定地」の戦略的活用についてです。
この「建設予定地」は整備が予定されている「道の駅」に隣接する広大な土地であり、集客ポテンシャルは極めて高い場所です。この強みを活かさない手はありません。
戦略的に、広域から人を呼べるキラーコンテンツを誘致すべきです。例えば、キッザニアや東映太秦映画村のような、子どもたちが職業体験や文化体験を通して学べる「エデュテインメント施設」。あるいは、トイザらスのような大型玩具店、さらには、世界に誇る大宮盆栽を発信する大規模盆栽園や、プロスポーツの試合ができるサッカー場やアリーナなどです。 「道の駅」との相乗効果で、一大観光・レジャー拠点を形成するような、夢のある活用策を検討すべきと考えますが、現在の状況を伺います。
(3) と畜場「跡地」における新たなまちづくりと土地利用について
一方、現在稼働していると畜場の「跡地」についても、新たなまちづくりと土地利用を検討すべきです。この場所は、大宮駅周辺の一等地としての価値があります。 また、大宮駅とさいたま新都心という二大拠点の間に位置する、極めて重要な結節点です。 将来的には、大宮駅周辺に「バスタ大宮」の整備も計画されており、交通結節機能がさらに強化されます。こうした動きを見据え、と畜場跡地を有効活用することで、大宮とさいたま新都心をつなぐ人の流れを生み出し、エリア全体の回遊性を飛躍的に高めるという視点が不可欠です。 移転後の跡地利用については、都心機能の補完や、地域経済を牽引する新たな産業の受け皿となるよう、早期に土地利用の方針を明確化すべきです。 併せて、防災の視点も重要です。都心部に位置する広大な敷地であることを活かし、災害時には帰宅困難者の受け入れや地域の避難所としても機能するよう、防災機能を備えたまちづくりを検討すべきです。 民間事業者のノウハウを取り入れた「サウンディング型市場調査」などを実施し、産業振興、地域防災、そして都心エリアの一体的な発展に資する具体的な活用ビジョンを描くべきと考えますが、見解を伺います。
6.命を守る救急・消防体制の強化について
(1) 救急・消防活動の高度化に向けたドライブレコーダー119の導入について
最後に、大項目6点目、救急・消防体制の強化について、(1)救急・消防活動の高度化に向けた「ドライブレコーダー119」の導入について伺います。
1分1秒を争う火災や交通事故の現場において、指令センターがいかに早く、正確に現場の状況を把握できるかが、迅速な救助と被害軽減のカギを握ります。
現在、スマートフォンを活用して通報者が映像を送る「Live119」の導入が進んでいますが、通報者がパニック状態であったり、危険な場所にいたりする場合には撮影が困難です。
そこで、現場付近を走行している一般車両や、協力協定を結んだタクシー・トラック、さらには「市の公用車」のドライブレコーダーの映像を、指令センターにリアルタイムで伝送・共有する仕組みを導入してはいかがでしょうか。
大阪府堺市では、消防局が高度な映像伝送システムを導入し、現場の映像情報を多角的に収集・活用する先進的な取り組みを行っています。
本市においても、こうした先進事例を参考に、通報者の映像だけに頼るのではなく、街中を走る車両を「動く防犯・防災カメラ」として活用し、現場到着前から詳細な状況を把握できる体制を構築すべきです。
救急・消防活動の高度化に向けた、この「ドライブレコーダー119」の導入について、見解を伺います。
【結び】
以上、多岐にわたり提案させていただきました。
いずれも、さいたま市の次の25年を切り拓き、市民生活の質を確実に高めるための具体的な処方箋です。
執行部においては、今後の前向きかつ力強い取り組みを期待し、公明党さいたま市議会議員団を代表しての質問といたします。ありがとうございました。

