
1. デジタル化の推進とAI活用
(1) AIチャットボットの進化とみんなのアプリへの実装
デジタル化の推進とAI活用について伺います。
2月定例会でAIの積極的活用について質問いたしましたが、さらに具体的な提案を行いたいと思います。さいたま市HPは令和10年12月の契約満了を見据えてAI時代に合わせた改修が行われると期待しております。現状、HPに搭載されているAIチャットボットは、必要な情報へのアクセス性を高めることには寄与してきたと認識しておりますが、チャットボットの性質上、知りたいことが明確になっていなければ必要な情報に辿り着けない。複雑な相談に対応できないといった課題があるのではないでしょうか。しかし、生成AIの社会実装が進んだことで、自由文による複雑な質問でも、その意図を汲み取り、回答できるようになりました。また、これまでのAIチャットボットのように必要なWebページへ誘導されたとしても、行政文書は一般の方にはわかりにくいのが実情です。生成AIであれば、必要な情報をわかりやすく要約して伝えることも可能です。もちろん、AIが正しい答えを出せるように、事前の情報の整理も必要です。そこで、次期ホームページへのAIチャットボットに代わる生成AI搭載(AI検索窓の導入)についての見解を伺います。
また、さいたま市HPに生成AIの検索窓があっても、そもそもHPを開かない人も多いのではないでしょうか。検索の入口として、このAI検索窓を本市の「みんなのアプリ」にも実装すべきと考えます。これにより、市民がわざわざブラウザからホームページを開かずとも、日常的なアプリの利用の中で手軽に行政情報にアクセスできるようになると考えますが、見解を伺います。
(2) 行政文書のデジタル化と障害者優先調達の活用
次に行政文書のデジタル化についてお伺いします。
AIが正確な回答を生成するためには、学習元となる「歴史文書を含めた行政文書のデジタル化」が不可欠です。本市にはまだ紙媒体の文書が数多く存在しますが、7年後の新庁舎稼働開始に向けて、新庁舎に持っていく紙文書を減らしておくことも必要です。このデジタル化(スキャニング等)の業務について、「障害者優先調達推進法」を活用し、障害者就労施設へ発注することを強く提案します。
先行する国立国会図書館の蔵書デジタル化事業では、日本財団の支援のもと、これまで就労継続支援B型事業所で平均2万円程度だった工賃を、実に6倍の「月額12万円程度」にまで引き上げるという、自立生活に向けた画期的な成果を生み出しています。
この取り組みの優れた点は、スキャニングなどのデジタル業務が、精神障害や発達障害のある方の「黙々と作業する高い集中力」といった特性と非常に親和性が高く、彼らのやりがいや自己肯定感の向上に直結していることです。従来の福祉的就労の枠を超え、デジタル分野のプロフェッショナルとして新たな就労ニーズを掘り起こしています。
こうした「仕事ありき」の成果直結型モデルに触発され、他自治体でもすでに行政文書のデジタル化を就労施設へ発注する動きが始まっています。福岡県では年間7,100万円、青森県では5,000万円、東京都江戸川区では8,000万円から1億円規模の発注が行われています。
本市においても、ただ業者にデジタル化を外注するのではなく、本市のDX推進と障害者の自立支援・工賃向上を両立させる、「インクルーシブDX」の戦略的な事業として進めるべきと考えますが、見解を伺います。
(再質問)
優れた仕組みであっても、市のレベルでは継続的な発注をするにはデジタル化対象の文書量が少ないという点は理解できます。それならば、さいたま市が牽引役となり、仕組みを構築した上で埼玉県や他自治体に連携を呼びかけ、広域的なプラットフォームとすることも可能だと考えますが、見解を伺います。
(3) AIコンシェルジュによる窓口案内
次に、AIコンシェルジュによる窓口案内についてです。AI技術の進歩は、face-to-faceのやりとりも一定程度代替できるようになっています。すでにいくつかの自治体では導入されていますが、本市の役所の総合案内にもAIコンシェルジュを導入してはいかがでしょうか。今、各区役所にはデジタルサイネージが設置され、行政情報や地域の催事情報、広告などが掲載されていますが、これにAIアバターをいれて、会話で案内できるようにすれば、多言語にも対応できます。AIアバターが窓口へ案内してくれれば、すでに導入されている書かない窓口では書かずに手続きが済みます。しかし、自分で書類を書いたほうが安心という人に対しては、直接窓口ではなく、手続きカウンターに誘導し、必要書類に記入してから窓口に行くというルートを案内することになりますが、書かない窓口ができている以上、ここでも書かないで済ませるように、手続きカウンターのデジタル化も進めるべきであると考えます。AIコンシェルジュの段階でアバターが書類作成を手伝うことも技術的にはできるかもしれませんが、アバター前に人が並んでボトルネックになるだけですので、手続きカウンターに誘導し、カウンターに設置されたタッチパネルで、マイナンバーカードを読み込み、タッチパネルで書類作成、送信し、窓口にデータが送られるような仕組みを作れば、書かない窓口を代替することができるのではないでしょうか。AIによる案内とデジタル手続きを連動させた「次世代型スマート窓口」の実現について、市の見解を伺います。
(4) 電子契約システムの入札公告から支払いまで一貫したデジタル化
さらに、電子契約から支払いまで一貫したデジタル化について伺います。大阪府では電子契約のポータルサイトを設け、入札公告から、入札、契約、請求、支払いまでがオンラインで完結するシステムを構築しています。本市も10月の運用開始に向けて準備中であることは理解していますが、あくまでも契約だけのシステムであり、入札、契約、請求、支払いは別システムとなっています。途中には紙の提出を求められるものもあり、事業者にとってはそれぞれ別のシステムにアクセスする必要があります。そこで、入り口のポータルサイトを構築し、バックヤードでそれぞれのシステムをつなぎ、一気通貫で利用できる完全なデジタル化を実現すべきです。そうすれば、事業者はシステムの違いを意識することなく利用できます。各システムのつなぎには、RPAやAPI連携、さらにはAIエージェント等の技術を活用してデータを流し込むようにすれば、莫大な費用をかけて1からシステムを構築する必要はありません。例えば、入札システムから落札企業のデータを抽出し、契約書のテンプレートに流し込み電子署名システムへの送信を自動化するなどです。これは事業者にとっても市職員にとっても業務負荷の軽減につながるかと思いますが、今後のシステムの統合・連携に向けた見解を伺います。
(5) 地方債のデジタル化による資金調達
2月定例会の代表質問で、戦略的な財源確保策として、政府で検討されている「ソブリン・ウェルス・ファンド」を参考にした基金の運用について提案し、他自治体の事例を参考に検討してまいりたいとの答弁がございましたが、まずその後の検討状況をお伺いします。
その上で、新しい提案として、地方債のデジタル化による資金調達についてお伺いします。本年5月27日に可決された第16次地方分権一括法により、自治体が発行する地方債をデジタル証券として発行できるようになりました。従来の単なる電子化とは異なり、ブロックチェーン技術を活用することで、証券会社などの仲介事業者を介さずに自治体と市民が直接つながることが可能となります。これにより発行・決済が迅速化されるだけでなく、販売額の小口化が実現し、1万円程度から個人で購入できるようになります。学校建設、水道施設改修、公園整備といった特定の事業に対し、その恩恵を直接受ける市民自身が「投資家」として買い支えることができるようになります。この取り組みの最大の意義は、利払いの「市外への資金流出」を防ぐことです。これまで機関投資家に支払っていた利子を市民に還元することで、地域内での資金循環が生まれます。さらに、地域特典やポイント還元などの非金銭的リターンと組み合わせることで、市の金利負担を抑える効果も期待できます。ふるさと納税が寄付の段階で完結する傾向があるのに対し、デジタル地方債は5年、10年といった中長期的な関係性を築くことができます。投資した資金がどう使われ、どんな成果を生んだのかを市民が直接トレースできる仕組みです。
これは単に資金を集めるということではなく、市民が「税金を納めてサービスを受け取る人」から「地域に投資する人」へと変わり、地域経営のパートナーとなるための大きな転換です。市と市民の新しい関係性を構築するこの仕組みづくりについて、見解を伺います。
(6) 避難者情報のデジタル化(避難所DX)
次に、避難所DXについて伺います。
災害時に迅速かつ正確な情報共有が求められる中、従来の紙ベースの避難所管理では限界があります。そこで、本市の防災アプリを活用した避難者情報のデジタル化を提案いたします。
すでに他自治体ではデジタルを活用した迅速な避難所運営が実用化されています。例えば福岡市では、LINEを活用したシステムを導入し、QRコードを使ってわずか数秒で非接触の受付を完了させています。同時に、市災害対策本部でリアルタイムに避難者数や要配慮者の属性を把握できる仕組みを構築しています。本市においても、市民が事前に防災アプリへ氏名や家族情報、障害、持病などの情報を登録しておき、避難所に到着した際はボタン一つで入退所情報を登録し、情報を集約できる仕組みを導入できないでしょうか。
また、避難所に行かず「在宅避難」や「車内避難」を選択した人の情報も同様に登録し、一元化できるようにしておくべきです。近年、プライバシーの観点やペットの同行などを理由に車内避難を選ぶ人が増えていますが、どこに誰が避難しているか行政が把握しづらく、エコノミークラス症候群などの健康被害や、支援の死角になりやすいという課題があります。
防災アプリ等を通じて在宅や車内での避難状況・位置情報を市が把握できれば、重度障がい者や妊産婦などの要配慮者を優先避難所へ効率的に誘導できるだけでなく、避難所以外にいる市民に対しても、健康状態の確認や救援物資をプッシュ型で迅速に届けることが可能となります。他市に遅れをとることなく、すべての避難者を誰一人取り残さないための、本市における避難所DX推進に向けた意気込みをお聞かせください。
2.与野公園開園150周年記念事業について
(1) 与野公園の整備
最後に、与野公園開園150周年記念事業について伺います。
明治10年の開園以来、多くの市民に愛されてきた与野公園が150年という大きな節目を迎えます。そこに向けて、6月定例会の最終日前に、中央区選出の5人の議員で市長に「ばらまつりの開催充実への要望書」を提出させていただきました。私からはまず、ばらまつりが開催される与野公園を全国から人が集まるのに相応しい公園へと再整備する必要があると考えます。特に市民から要望の多いトイレの洋式化とばら園の整備を早急に進めるべきと考えますが、現在の計画をお聞かせください。
公園トイレの洋式化は公園トイレリフレッシュ計画に基づいて行われていることは理解しておりますが、和式トイレを使う方もいるとの観点から、1公園につき1ヶ所の洋式化に止まっております。しかし、新規に公園を作る時には和式トイレは設置されません。つまり和式トイレを使う人はほとんどいないため、必要性がないというのが市の認識であるということを指名しているのではないでしょうか。どうしても洋式トイレを使用したいという人はみんなのトイレを使えばいいというご意見もありますが、本当に必要な人が使えなくなるという事案が全国で散見されます。与野公園150周年を大きな機会と捉え、公園整備の一環として、この機会に全国から人が集まるばら園そばのトイレの洋式化を進めていただきたいと考えます。合わせて、来場者が気持ちよくばら園を楽しめるように、老朽化した花壇の木枠の更新を行っていただきたいと思いますが、見解をお伺いします。
(再質問)
ありがとうございます。与野公園の園内インフラの老朽化はトイレとバラ園の木枠だけにとどまりません。その他、大雨の時に、排水不良で溢れてしまう弁天池の整備、設備不良で今夏利用できなかった南園のじゃぶじゃぶ池の設備修繕も必要です。与野公園の園内インフラの抜本的更新について見解を伺います。
(2) ばらまつりの開催について
また、与野公園開園150周年記念事業の大きな柱となる「ばらまつり」を成功させ、都市ブランドを向上させるため、祝祭空間構築についていくつか提案させていただきます。まず、与野本町駅から会場への導線の賑わい創出は不可欠です。与野本町駅からさいたま芸術劇場までの道はアートストリートと名付け、埋め込み照明や手形レリーフが設置されています。それと同じように、与野本町駅から与野公園までの道を「ばらストリート」として、ばらアートの設置や、沿線家屋、公共施設のばら推奨を行ってはいかがでしょうか。また、まち全体をばら園と見立てた演出などを行うことで、150周年にふさわしい祝祭空間が創出できると考えます。さらに、ばらまつりの会場となる与野公園内のメイン会場にはランウェイを設置し、バラをモチーフにした衣装のファッションショーを開くなど、まち全体の賑わい創出と一体的なイベント展開に向けた、市の見解と支援策をお伺いします。

