会議:令和3年12月 定例会 / 役職:議員(公明党さいたま市議会議員団) / 出典:https://ssp.kaigiroku.net/tenant/saitama/SpMinuteView.html?council_id=890&schedule_id=6&minute_id=140&is_search=true
※一般質問。市長・市民局長・副教育長・スポーツ文化局長・都市局長がそれぞれ答弁。
令和3年12月1日 定例会(照喜納弘志議員 一般質問)
公共交通の充実について(公共交通のグランドデザイン)
◆照喜納弘志議員 公明党さいたま市議会議員団の照喜納弘志でございます。通告に従いまして、順次質問させていただきます。
まず、大項目1、公共交通の充実について、(1)公共交通のグランドデザインについて質問させていただきます。公共交通を考える上で、行政の最も大きな役割は、数ある交通事業者間の調整であると思います。今後、公共交通の利便性を高めていくためには、交通事業者に対して本市が何を目指し、どのような公共交通の姿を描いているか、新しい交通手段も出てきていることから、時代に合わせた新しいグランドデザインを示していく必要があると思います。公共交通マスタープラン及び地域公共交通計画の中で示すべきだと思いますが、そこで示されているのは、本市の公共交通の抱える課題、公共施設へのアクセス性の向上などの目的や道路計画であり、新しい交通手段によって交通事業者にもたらされるメリットについては描かれていません。
先日行われた学生政策提案フォーラムでも、芝浦工業大学のチームから、路線バスとの接続を前提としたオンデマンドバスが提案されました。オンデマンドバスは、面でエリアをカバーし、路線バスへの接続を前提とすれば、バス事業者にとってもオンデマンドバスがお客様を運んできてくれるというメリットが生まれます。また、タクシーは出発地から目的地までを直接結ぶ完全なオンデマンドとして差別化が図られます。本市のマスタープランと地域公共交通計画を交通事業者の皆様に理解していただき、本市の目指す公共交通の姿を共に実現する協力関係を築くためにも、面でエリアをカバーするオンデマンド交通と、面と面を線で結ぶ路線バスというグランドデザインを描き、さらに人流のシミュレーション結果を示さなければ、新しい交通手段を導入した場合の既存の交通事業者との調整役という行政の役割を果たせないのではないでしょうか。
交通事業者同士は、シームレスな市民の移動を実現するという目的においては、競合関係ではなく補完関係にあると思います。経済学で言うところの囚人のジレンマを克服し、協調関係を築いていかれるよう調整をお願いしたい。そのために、新しいグランドデザインが必要であると思いますが、見解をお聞かせください。
また、市民にとってのメリットも示す必要があると考えます。交通空白地域の解消のため、コミュニティバスや乗合タクシーが導入されていますが、利便性向上のためのルート変更の対応などは引き続きお願いしたい。しかし、どれだけルートを検討しても採算がよくならない場合には、オンデマンド交通を導入することで、市民が交通手段に合わせて移動するのではなく、市民の移動に交通手段が合わせるという、これまでとは違う公共交通体験を提供することができると思いますが、見解をお伺いします。
さらに、市民の公共交通の利用を促すために、サブスクリプションや接続割引の導入も検討されるべきであります。接続割引については、例えば地元の話題で恐縮ですが、中央区の大戸地域から市民医療センターに行くには、直通の路線バスがございません。この9月から、市民医療センターを通過する乗合タクシーが試験導入されましたが、これも大戸地域を通過しているわけではありません。路線バスで大久保浄水場の手前のやつしまニュータウンで降り、乗合タクシーで市民医療センターに行くしかありません。しかし、バスで250円、乗合タクシーで300円、やつしまニュータウンから市民医療センターまでの僅かな距離のために300円を追加で支払うには、大きな抵抗があります。接続割引が導入されれば、シームレスな移動に対する市民への認知も上昇し、公共交通の交通手段分担率も向上することが期待できると思いますが、見解をお聞かせください。
公共交通の充実について(MaaSを前提としたAIデマンドバスの導入)
◆照喜納弘志議員 続いて、(2)MaaSを前提としたAIデマンドバスの導入について質問させていただきます。学生提案のオンデマンドバスの発展形とも言えるAIデマンドバスについては、これまでも会派として何度も要望してきたところであります。浦和美園、岩槻で実証実験されたことは歓迎すべきものでありますが、いずれも単体事業として行われており、AIデマンドバスの弱点が克服されていないように感じています。AIデマンドバスの最大の利点は、移動を面でカバーできるところですが、面を広げ過ぎると効率が下がるため、エリアが限定されることが弱点であります。その弱点を補うためには、先ほどグランドデザインで申し上げましたとおり、基幹交通である電車、バスとMaaSで接続し、面を線で拡張することであると考えます。つまり、AIデマンドバスの実証実験を幾ら行っても、MaaSで基幹交通と接続されていない限りは採算が合わず、廃止されてしまう路線が出てくることを危惧しています。
9月定例会の決算特別委員会で、本市は大宮・さいたま新都心エリアで生活者の視点に立ったライフサポート型MaaSの構築を検討しているとの答弁がありました。その交通手段として、シェア型マルチモビリティー、シェアサイクル、電車、路線バスについては言及されました。しかし、ラストワンマイルの交通手段として期待されるシェアサイクルなどは高齢者に不向きであります。私は、ライフサポート型MaaSが生活者の視点に立ったものを目指しているのであれば、交通弱者を取り残すわけにはいかないと思います。AIデマンドバスも、当然にライフサポート型MaaSに組み込まれるものであると考えますが、見解をお伺いいたします。
○松下壮一副議長 都市局長
◎土屋愛自都市局長 照喜納弘志議員の御質問の1、公共交通の充実について、(1)公共交通のグランドデザインについてお答えいたします。
現在本市では、面的及び線的な交通ネットワークを再構築するためのマスタープランとして、地域公共交通計画の策定に取り組んでいるところでございます。この計画の作成に当たりましては、バス事業者をはじめとする交通事業者や市民等も参画し、それぞれの役割を担いながら公共交通の維持、確保ができるように留意し、各種施策を展開することで、双方のメリットを共有していきたいと考えているところでございます。
議員御指摘のAIデマンド交通は、利用者が面的に、かつ利用したい時間に合わせて移動することが可能となるものであり、定時定路線型のコミュニティバスや乗合タクシーとは違う特性を持つ次世代型の交通サービスの一つと考えております。一方では、あらかじめ会員の登録予約をしなければいけない必要性や、予約の混雑状況によっては希望する時間に移動できないというような課題もあります。このような課題に対して、実証実験における利用状況、あるいはモニタリング、そういったことから運行の効率化等の効果検証を進めて、今後は他地域への展開も検討していきたいと考えております。
また、御質問の既存の民間路線バスとの接続割引についてでございますけれども、現在岩槻区で行っている実証実験では、路線バスとAIデマンド交通の結節点となる停留所を数か所設けまして、結節点停留所での乗降の運賃を、通常であれば300円でありますが、100円にすることで路線バスの利用を促進する実験を行っているところでございます。引き続き接続割引の実験を継続し、利用者の増加に向けた接続割引の有効性等の検証に取り組んでまいります。
次に、(2)MaaSを前提としたAIデマンドバスの導入についてお答えいたします。
AIデマンド交通につきましては、昨年度から岩槻区や美園地区においてタクシー事業者等と連携した実証実験を実施しており、利用者を増やすための方策や路線バス事業者との役割分担など、主に事業面での課題解決に向け、継続的にバス事業者との意見交換を実施しております。
また、美園地区の取組につきましては、MaaSへの拡張を見据えたAIデマンド交通の実証実験が、今年度の国土交通省のスマートシティモデルプロジェクトに採択されたところでございまして、国の支援を受けながら地域の事業者が参画、連携した持続可能な地域経営を実現するための実証を行う予定です。本市といたしましては、AIデマンド交通やシェア型マルチモビリティーのような新たなモビリティーサービスが、既存の鉄道やバスといった基幹交通を補完することで、市民や来街者が便利で快適に移動できる環境になるものと考えております。
議員御質問のAIデマンド交通を含めたMaaSの実装につきましては、鉄道、バス事業者に加え、タクシー事業者や新しいモビリティーサービスの事業者など、様々な関係者との連携が必要不可欠であると考えております。今後も様々な連携方策を模索しながら関係事業者との調整を進め、引き続き市民の方々が利用しやすいサービスの実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
◆照喜納弘志議員 ありがとうございます。ぜひあらゆる交通事業者を連携させていただいて、生活者の視点に立ったさいたま市版のMaaSを実現していただきたいと思います。
安全安心な市民生活について(ドライブレコーダーを公用車に搭載し防犯カメラとして活用)
◆照喜納弘志議員 では、続きまして大項目の2番目、安全安心な市民生活について、(1)ドライブレコーダーを公用車に搭載し、防犯カメラとして活用について質問させていただきます。市民の安全、安心のため、防犯カメラの設置をこれまでも進めてまいりましたが、設置をするには、コストのほかに地域住民のプライバシー保護に対する理解、警察との協議など、超えるべきハードルも高く、なかなか進まないのが現状であろうかと思います。新しい技術、サービスも出てきていますので、そうしたハードルを乗り越えて、防犯カメラの設置推進を今後も積極的に進めていただきたいと思います。
そこで、まずは最も簡便に取り入れることができる防犯カメラとして、ドライブレコーダーの活用を提案いたします。ドライブレコーダーは、動く防犯カメラとして公用車に搭載する自治体も増えています。徳島県阿南市では、2019年に全公用車220台に搭載、神奈川県開成町では、この4月から市民参加型記録活用システムの実証実験を開始しました。同じく神奈川県愛川町では、昨年の4月からドライブレコーダー搭載車登録制度を設けました。大阪市では、自主防犯活動をしている民間の青色防犯パトロール車へドライブレコーダーを搭載する補助事業を行っています。民間でも、一般企業と警察が提携を結んでいる事例もあります。本市では、市内の防犯カメラの設置がなかなか進まない状況の中、まず全ての公用車にドライブレコーダーを搭載し、警察との協定により録画データを提供する仕組みを整えるべきであると考えますが、見解をお伺いいたします。
また、公用車のドライブレコーダーの録画データを警察に提供する仕組みが出来上がり、運用が軌道に乗れば、それを市民にも開放し、録画データ提供に同意したボランティアドライバーを募ってはいかがでしょうか。公用車だけでは夜を走る車が少なく、市内全域をカバーすることもできません。市民参加で、市民自ら市内の安全、安心を守る体制へと発展させていくべきであると考えますが、見解をお伺いいたします。
安全安心な市民生活について(防災対策として小学校などの公共施設にLPガスを導入)
◆照喜納弘志議員 (2)防災対策として小学校などの公共施設にLPガスを導入について質問させていただきます。大規模災害時、ライフラインが復旧するまでの日数は、電気が最も早く、続いて水道、都市ガスと言われています。東日本大震災では、99%まで復旧するのに電気は約1週間、水道は3週間、都市ガスは5週間かかったと言われております。
本市の災害時のライフラインについて、電気は市立学校に太陽光発電設備、蓄電池システムが設置されています。また、EVやFCVも動く非常用電源として活用することができます。水は、貯水タンクや災害井戸などが設置された応急給水場所は、学校をはじめ市内111か所あり、生活用水などに使うことができます。しかし、ガスについては電気や水に比べて優先度は低いと言われておりますが、大規模災害発災直後に炊き出しを行い温かい食事を供給するためには、やはりガスは不可欠であろうと思います。
現在、小学校43校、中学校15校にLPガスが導入されていると伺っておりますが、その他の学校にLPガスを導入する予定はないのでしょうか。導入したくてもできない事情があるのであれば、それは何でしょうか。それが都市ガスからの切替え工事だけであるのであれば、ノズルの口を交換するだけですので、多額な費用がかからないとも聞いております。ガスは劣化するものではありませんので、備蓄用として置いてもいいかもしれませんが、保管期限がありますので、日常的にガスを使う給食室などでLPガスを導入することが最も効果的だと考えます。そうすることによって、人命救助のクリティカルタイムである最初の72時間に炊き出しをし、温かい食事を提供することができます。
脱炭素の時代に、ガソリンやガスの需要は減少していますが、災害時にはあらゆる場面を想定して準備していくことが必要です。EVやFCVも含めて、エネルギーのベストミックスを実現するためにも、LPガスを全学校の給食室に設置することは理にかなっていると思いますが、見解をお伺いいたします。
○松下壮一副議長 市民局長
◎宮野良章市民局長 照喜納弘志議員の御質問の2、安全安心な市民生活について、(1)ドライブレコーダーを公用車に搭載し、防犯カメラとして活用についてお答えいたします。
本市が所有している公用車のドライブレコーダーの設置状況につきましては、現在市全体で1,004台ある車両のうち799台が設置済みで、設置率としては約79.6%となっております。ドライブレコーダーを設置していない車両につきましても、車両更新時期に合わせ順次設置を進めていくこととなっております。
公用車搭載のドライブレコーダーを防犯カメラとして活用することにつきましては、議員御指摘のとおり動く防犯カメラとして、公用車のドライブレコーダーを活用している自治体も既にあるということはお伺いしております。ドライブレコーダーを防犯カメラとして活用するには、警察との協議、運用方法などの課題もまだ残されていることから、今後警察や本市の公用車を管轄する関係部署との協議を行うとともに、他市の取組状況や実績、警察への録画データの提供の仕組みなど、様々な参考にすべき事項、課題を整理した上で検討してまいりたいと考えております。
また、市民に協力を仰ぎ、ドライブレコーダーの録画データの提供をいただけるボランティアを募ることにつきましても、調査研究をしてまいります。
○松下壮一副議長 副教育長
◎高崎修副教育長 照喜納弘志議員の御質問の2、安全安心な市民生活について、(2)防災対策として小学校などの公共施設にLPガスを導入についてお答えいたします。
避難所となっている小学校などの公共施設にLPガスを導入することは、大規模災害時において電気やガスのライフラインが途絶えた際、即座に避難者への炊き出しなどに使用することができるため、避難所機能強化の観点から有効な手段の一つであると認識しております。そのため、本市では地域防災計画に基づき、埼玉県LPガス協会さいたま支部と災害時におけるLPガス等の供給に関する協定を締結しております。この協定によりまして、非常時に支援を要請いたしますと、LPガスやガス器具を公共施設に提供いただける体制となっております。
また、教育委員会では学校施設リフレッシュ基本計画に基づき、老朽化した小中学校の改修や建て替えを計画的に実施しておりますが、学校施設は災害時に避難所として使用されることから、老朽化対策と同時に避難所機能強化のため、LPガスが使用できる設備の導入を順次進めているところでございます。具体的に申し上げますと、都市ガスにて供給されている学校給食の一部厨房設備のLPガス用機器への更新、また大規模災害時にはLPガスに切り替えて使用することができる設備への更新も行っております。さらに、既存の都市ガス配管をそのまま使用することができる移動式ガス発生設備の導入など、大規模災害時における様々なLPガスの供給システムにつきましても研究してまいりたいと考えております。また、避難所である公民館につきましても、リフレッシュ工事等の際にLPガスが使用できる設備の導入を検討してまいります。
教育委員会といたしましては、引き続き良好な教育環境の整備を推進するとともに、地域防災の拠点としての機能強化も併せて推進してまいります。
◆照喜納弘志議員 ありがとうございます。ドライブレコーダーにつきましては、さいたま市が市民の安全を守る姿勢を示すことが重要であると思いますので、まずは公用車への積極的なドライブレコーダーの搭載、そして警察への録画データ提供の仕組みをつくっていくように、どうかよろしくお願いいたします。
また、LPガスにつきましては、老朽化対策の時期に更新していくということでございますけれども、残りの学校へのLPガスの導入の時期について、大体いつぐらいになるかというのは今分かりますでしょうか。
○松下壮一副議長 副教育長
◎高崎修副教育長 照喜納弘志議員の再質問にお答えいたします。
学校施設リフレッシュ基本計画に基づき、老朽化の際に導入を進めるということになりますと、時間が少しかかるということも私ども承知しておりますので、そのほかにも先ほど申し上げた方策をできる限り時期を早めて進めていく、あるいは研究していく方法もあるかと考えております。リフレッシュ基本計画、老朽化だけではなく、ほかのタイミングでも進めていくように努めてまいりたいと考えております。
◆照喜納弘志議員 ありがとうございます。災害は、いつ起こるか分かりませんので、できるだけ早い対応をお願いいたします。
文化の向上とまちづくりについて(ストリートピアノの全区展開)
◆照喜納弘志議員 では、続きまして大項目の3、文化の向上とまちづくりについて質問させていただきます。(1)ストリートピアノの全区展開についてでございます。私がこの議場で初めて、当時はまちピアノと呼ばせていただいておりましたが、ストリートピアノを市内に展開してはどうかと提案させていただいてから2年半がたちました。当時の答弁では、ストリートピアノは有効な取組ではあるが、様々な課題があることから、他都市の事例を参考にしながら調査研究してまいりたいとのことでありました。
この間に、全国のいろんな場所でストリートピアノが設置されるようになり、主要都市にはストリートピアノがあることが当たり前になってきました。本市においても、浦和美園駅のふれあいピアノ、大宮アルシェ前のキズナピアノ、最近では7月に浦和区役所と浦和駅前の中ノ島地下道で期間限定ではありましたが、ストリートピアノが実施されました。区役所に置かれたピアノは、浦和レッズがレッズピアノとして真っ赤にラッピングし、市内を巡回し、現在彩りを変えてさいたま新都心駅の東西自由通路に置かれております。また、昼の1時間だけではありますが、プラザイーストでは月2回、さいたま芸術劇場でも月1回ピアノを開放して、市民の皆様が自由に弾くことができるようになっております。私も2年前に与野イオンで実施をしたほか、次の写真を見ていただければ、今年の8月終わりから1か月半ほどコンビニエンスストアにピアノを設置して、コロナ禍の中ではありましたが、コンビニピアノとして親しまれ、地域の皆様に一陣の涼風を送ることができました。
ストリートピアノは、市民が参加できる文化活動として、もはや定着しつつあります。本市でも、各区に最低1か所常設してはどうかと思っておりますが、そのために、まずヤマハミュージックジャパンがLove Pianoと称して、ストリート専用にペイントしたピアノを各地に貸し出しているように、ストリートピアノの貸出し事業を行ってはどうかと思っております。恐らく全国でも初めての取組ではないかと思います。区民まつりをはじめ、地域のお祭りや商店街のイベント、まちおこしイベント、マルシェ、フリーマーケットなど、活用できる機会はたくさんあります。また、ストリートピアノをやりたいと思っている人、団体、さいたま市に所在があれば誰でもストリートピアノを実施できるようにしておけば、こんなところでやってみてはどうだろうとか、行政の側が考えるよりも、市民のいろんなアイデアが出てくるのではないかと期待できます。文化芸術都市の創造に向けて、ストリートピアノは非常に有効なツールだと思いますが、見解をお聞かせください。
文化の向上とまちづくりについて(音楽によるウオーカブルなまちづくり)
◆照喜納弘志議員 また、(2)音楽によるウオーカブルなまちづくりについて質問させていただきます。ストリートピアノの普及の先には、市民が日常的に文化芸術活動に触れるだけでなく、参加することができるまちづくりがあります。コロナ禍の中、開催された国際芸術祭のレガシーとして、アーツセンタープロジェクトなど市民参加の芸術運動が根づいております。このさいたま芸術の萌芽をしっかり根づかせ、花開かせるためにも、次は音楽によるまちづくりを考えてはいかがでしょうか。
歩いて楽しいウオーカブルなまちづくりを進めるに当たっても、音楽には人を外に誘い、人と人を結ぶ力があります。歩いて楽しいまちに、音楽は欠かせないのではないでしょうか。例えば中央区には、与野本町駅から芸術劇場までの道がアートストリートとして、路面にシェイクスピアの言葉が書かれた埋め込み照明が設置されていたり、アーティストの手形レリーフが飾られていたりと工夫されております。これだけでも、歩いて楽しい芸術文化を感じられるストリートであると思いますが、そこに市民参加という視点を加えることによって、市民の文化意識はさらに向上するのではないでしょうか。
総合振興計画では、文化芸術に親しめるまちであると感じる市民の割合を61.9%から67%にする目標が掲げられております。そのためにも、例えば駅前広場、公園、ストリートなど、いつでも誰でも楽器演奏ができるエリアを指定してはどうでしょうか。最近流れている携帯のCMで、公園でフランス人とおぼしき女性がバイオリンを弾いていたところ、近くで踊っていた女性が携帯の翻訳機能を使って話しかけている場面がございますが、これをCMの世界だけでなく、実際の私たちの日常生活の中に、生の音楽が流れるまちとして実現することができれば、目と耳の両方で芸術文化を楽しむことができるようになるのではないかと思います。そういうエリアがあれば、ストリートピアノもイベントとして開催しやすくなります。なお、その携帯のCMは、北浦和公園で撮影されたものだと聞いております。
さらに、年1回は楽器演奏の可能なエリアを拡張して、渋谷ズンチャカ!のように音楽の日にすることも考えられます。国際芸術祭で始まった市民参加の芸術運動の土台の上に、新しい展開として音楽によるまちづくりを考えてはどうかと思いますが、見解をお伺いいたします。
○松下壮一副議長 スポーツ文化局長
◎大西起由スポーツ文化局長 照喜納弘志議員の御質問の3、文化の向上とまちづくりについて、(1)ストリートピアノの全区展開についてお答えいたします。
今年の3月に改定いたしましたさいたま市文化芸術都市創造計画では、その基本施策の一つとして文化芸術に対する理解や関心の促進を掲げ、近隣施設や町なかなど、身近な場所で気軽に文化芸術を鑑賞することができる環境づくりに努めるなど、全ての人が身近に文化芸術と触れ合える機会の充実を図ることとしております。
ストリートピアノにつきましては、誰もが気軽にピアノを演奏することができ、その音色を聴く人々も一緒に音楽を楽しむことができますので、身近な場所で文化芸術に触れることができる環境づくりとして、有効な取組の一つであると考えております。
議員御指摘のとおり、市内では市民団体等によるストリートピアノが幾つか展開されております。本市に対しましても様々な御意見が寄せられておりまして、多くの人のすばらしい演奏を聴くことができたので、今後も引き続き実施してほしい、常設についても検討してほしいなど、好意的な意見が多く寄せられております。なお、一方で不特定の人が弾くピアノの音が騒がしいと感じる人もいたほか、人の滞留による通行の妨げやコロナ感染症への不安など、批判的な御意見もございました。
本市といたしましては、先ほども申し上げましたとおり、身近な場所で文化芸術に触れることができる環境づくりとして、有効な取組の一つと考えておりますので、今年度、市主催によるストリートピアノの実証実験を予定しております。なお、コロナ禍での影響により、これまでの間実施を見合わせてまいりましたけれども、今後社会状況を見ながら、年度内に実施できるよう現在調整を進めているところでございます。来年度におきましては、これまでいただいた御意見や今年度中に実施予定の実証実験の結果を踏まえた上で、各区で実施される市のイベントや地域のイベントとの連携などにより、市内複数の場所でストリートピアノ事業を実施できるよう検討してまいります。
議員御提案のストリートピアノの貸出し事業につきましては、市の文化施設等で不用となったピアノを活用することも考えられますけれども、ピアノの状態や保管場所、運搬、調律などにかかる費用の問題等々、様々な課題もございますので、今後事例調査なども含めまして研究してまいりたいと考えております。
あわせて、ストリートピアノ事業を実施する市民団体への支援といたしましては、あらゆる御相談に積極的に応じていきたいと考えておりますほか、文化芸術都市創造補助金の制度の活用についてPRしてまいりたいと考えております。
次に、(2)音楽によるウオーカブルなまちづくりについてお答えいたします。さいたま市文化芸術都市創造計画における基本施策には、多様な文化芸術に触れる機会の提供を掲げておりまして、文化芸術によるまちづくりにも取り組むこととしております。音楽の分野につきましては、文化センター等の文化施設における本格的な音楽鑑賞事業や、学校や福祉施設などに音楽家を派遣して演奏するアウトリーチ事業、さいたま国際芸術祭のレガシー事業として実施しておりますさいたまアーツセンタープロジェクトにおける鑑賞プログラム、市内の小中学生を対象としたジュニアソロコンテストなどの実施により、鑑賞機会や発表の機会の充実に取り組んでいるところでございます。今後は、こうした取組をさらに拡充することで、音楽によるウオーカブルなまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
議員御指摘のとおり、市民が文化芸術作品を見たり聴いたりすることに、市民参加の視点を加えることは大変有効であると考えております。総合振興計画における成果指標の一つである文化芸術に親しめるまちであると感じる市民の割合の向上につながるものと考えております。
御質問の、いつでも誰でも楽器演奏ができる空間の確保につきましては、市の施設等々、周辺地域との連携、こういったものが必要になりますので、市民や事業者との連携による実現可能性などについて、今後研究してまいりたいと思います。
◆照喜納弘志議員 ありがとうございます。ピアノを置くだけで、市民の芸術活動、芸術運動への参加が可能になってまいりますので、また今後研究を重ねしながら、しっかりと実施していただきたいと思います。
公共施設再編について(中央区役所周辺の公共施設再編とデジタル化の推進)
◆照喜納弘志議員 それでは、続きまして大項目の4、公共施設再編について質問させていただきます。(1)中央区役所周辺の公共施設再編とデジタル化の推進について。9月定例会で追加提出された総合振興計画の改定事業の中で、中央区役所周辺の公共施設再編事業にデジタル化を推進する施策が追加されました。デジタル化の具体的な内容は、これから検討されていくことと思いますが、中央区役所周辺の公共施設再編事業は、単に建物を建て替えるだけのリフレッシュ事業ではなく、このエリア全体のまちづくりに関わるエリア再構築事業であると理解しております。そこにデジタル化という視点が加えられたことは、さいたま市の新しいまちづくりのモデルケースにしたいという意欲を感じております。東京の中心地、大手町、丸の内、有楽町の大丸有エリアで進められているまちづくりにはかないませんが、ぜひ参考にしていただき、環境に配慮した全ての市民に優しいまちづくりを目指してもらいたいと思っております。
そのためにも、デジタル技術は極めて重要であります。6月定例会でも提案させていただいたとおり、AIやRPAを活用した区役所内での手続や業務のDXによって、書かない、書かせない区役所、手ぶらで手続できる区役所、来なくても手続できる区役所の実現、また待たせない区役所、待つときも有意義に楽しく過ごせる空間づくりにぜひ取り組んでいただきたいと思います。しかし、それだけであれば、中央区役所で行う意味はないと思います。全区役所を対象に、どんどんやっていただきたいと思います。
公共施設再編事業の中でデジタル化を推進するならば、エリア全体でのデジタル活用について考えるべきであります。例えばエリア内にスマートポールを設置し、5G、Wi-Fi通信局、防犯カメラ、街路灯、デジタルサイネージ、スピーカーを搭載し、地域利便性の向上に努めてはいかがでしょうか。デジタルツインの構築についても考えられると思います。また、交通手段についても、AIデマンドや5G通信局を活用した自動運転バスなど、区役所へのアクセス向上にも寄与できるかと思いますが、エリア全体のデジタル化について見解をお聞かせください。
○松下壮一副議長 市長
◎清水勇人市長 照喜納弘志議員の御質問の4、公共施設再編事業について、(1)中央区役所周辺の公共施設再編とデジタル化の推進についてお答えしたいと思います。
中央区役所周辺の公共施設再編事業に当たって、世界共通の課題である脱炭素化の推進や、デジタル技術の急速な進展などの社会情勢の変化を考慮しながら施設整備を進めていくことが必要不可欠なものと考えております。本市では、ゼロカーボンシティーの実現に向けた取組を推進しており、本事業の実施に当たっては、本市が定めた環境配慮型公共施設整備方針等を踏まえ、省エネルギー型建築設計や、再生可能エネルギー導入などの脱炭素社会の実現に貢献できる施設整備を積極的に検討してまいります。
また、デジタル化の推進に当たりましては、国の動向や今後の技術進歩等を注視しつつ、AIやIoTサービスなどの積極的な活用を図り、事業エリア全体で市民や事業者等の利便性を向上させるために幅広く検討していきたいと考えております。
今後、基本計画などを策定していく中で、整備の方向性などを定めてまいりますが、特にデジタル化の取組や環境面の取組などについては、先進的な取組を行っている民間事業者や研究機関などからの提案を受けながら検討を進めてまいりたいと考えております。中央区役所周辺の公共施設再編事業が、本市を牽引するデジタルタウンのトリガーとなるように推進してまいりたいと考えております。
◆照喜納弘志議員 ありがとうございます。市長自ら答弁いただき、誠にありがとうございます。
さいたま市の新しいまちづくりのトリガーとなるような、非常にわくわくするような提案であったかと思いますが、公共施設再編におけるデジタル化の推進については、区役所内のDXにとどまることなく幅広い目で見ていただいて、いろんな技術をここで取り入れて利便性の向上に努めていただきたいと思います。
私からは以上でございます。

