会議:令和2年6月 定例会 / 役職:議員(公明党さいたま市議会議員団) / 出典:https://ssp.kaigiroku.net/tenant/saitama/SpMinuteView.html?council_id=816&schedule_id=4&minute_id=148&is_search=true

令和2年6月8日 定例会(照喜納弘志議員 一般質問)

ウィズコロナ・アフターコロナ時代の行政事務について(オンラインワンストップ窓口・RPAによる事務作業効率化)

◆照喜納弘志議員 公明党さいたま市議会議員団の照喜納弘志です。

新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方にお悔やみ申し上げますとともに、罹患された方にお見舞い申し上げます。

挑戦と応戦は、偉大な歴史学者トインビー博士の大著「歴史の研究」の主要なテーマでありました。今回、人類に突きつけられた新型コロナウイルス感染症の挑戦に対して、今こそ一致団結して応戦すべきときであります。このピンチをチャンスに変える柔軟な発想で答弁をお願いいたします。

それでは、通告に従いまして質問させていただきます。まず、ウィズコロナ、アフターコロナ時代の行政事務について、行政手続のオンラインワンストップ窓口について質問させていただきます。このたびの新型コロナウイルス感染症の影響により、区役所の窓口が過密状態になったことがありました。区役所には手続で訪れるお年寄りや妊婦など、感染リスクの高い市民も多くおります。ウィズコロナ、アフターコロナ時代の行政の在り方として、行政手続のさらなるオンライン化、窓口のシステム化、予約制などは、全国的な流れとなっています。現状、本市では48種類の手続が電子申請・届出サービスで利用できますが、昨年度の利用実態は2万660件にとどまり、しかもその9割以上が水道使用と職員採用に関する届出に集中しております。この電子申請・届出サービスのメニューは、利用目的が明確でなければ使いづらく、結婚や就職、転居などのライフイベント時には有効とは言えません。

そこで、平成20年から本格導入されたパッケージ工房で使用されているライフイベントごとのオーダーシートをウェブ化し、申請に必要な個人情報を入力すれば、電子申請が完結するようなオンラインワンストップサービスを提案したいと思います。また、どうしても窓口での申請が必要な手続については、氏名等の個人情報が入力された届出書類が印刷でき、それを窓口に提出するだけで済むようになれば、さらなる利便性向上を図ることができると思いますが、見解をお伺いします。

次に、RPAによる事務作業の効率化と全庁展開についてお伺いいたします。新型コロナウイルス感染症により明らかになった日本の課題として、デジタル対応の遅れが指摘されています。昨年の世界デジタル競争力ランキングで、日本は主要63か国中23位と低く、特にデジタルトランスフォーメーションを活用する適応力で低い評価となっており、コロナ危機への我が国の対応に表れているのではないでしょうか。昨年本市では、事務作業の効率化のため、RPAの実証実験が行われました。全体として73%、時間にして年6,000時間近くの削減効果が見られ、大きな効果があったと言えます。

RPAの大きな特徴として、ツールを導入しさえすれば、プログラミングの知識がなくても、業務フローを理解している現場の職員が自らロボットを作ることができるところにあります。今後全庁展開するに当たっては、ロボットに置き換える業務の選定、ロボットの作成については、現場の裁量を大きくしていただきたい。RPAを効果的に使える職員が増えれば、例えば今回の特別定額給付金の申請書の郵送、振込作業においても、自然と現場から事務作業の多くをロボットに置き換えて自動化してはどうかとの声が上がり、急な業務にも迅速にかつ正確に対応できたのではないかと思います。コロナ危機への本市の対応への反省を踏まえ、今後のRPA導入の方針について見解をお伺いいたします。

教育行政について(オンライン授業・生徒の心の問題・中学3年生の部活動)

◆照喜納弘志議員 次に、教育行政について、オンライン授業と新型コロナウイルス感染症第2波への備えであります。新型コロナウイルス感染症により、さいたま市教育委員会としては休校、外出自粛という極めて厳しい制約条件の下で、子供たちの学習の遅れ、生活リズムの乱れに対応するため、デジタル授業をはじめとする様々な方策を取られたことは評価いたします。しかし、教育長も記者会見で述べられていたように、決して100%の対策ではありませんでした。教科によっては、画面上に静止画だけの説明が延々と続くという動画もございました。これでは子供たちは飽きてしまいますし、画面上とはいえ、教師の顔を見ながらの動画であれば、もっと血の通ったものができたのではないかと思います。

今後、新型コロナウイルス感染症の第2波が起これば、再び休校措置が取られることも予想されます。そのときのためにも、ふだんの授業からロイロノートやグーグルクラスルームなどのデジタルツールに慣れておき、環境を整えて双方向のやり取りによるオンライン授業ができるように準備しておく必要があるかと思いますが、見解をお伺いいたします。

次に、生徒の心の問題への対応について。休校期間中は生徒同士の接触が限定的なため、いじめなどの友人関係の相談は少なかったように思いますが、学校再開に当たり、子供の相談が増えてくることが予想されます。学校を安全安心な場所にするため、子供たちの相談窓口についてどのようにお考えでしょうか。

また、緊急事態宣言以降、家庭内での環境の変化が子供に与える影響も大きく、家庭状況の把握と子供の変化を見逃さない取組が必要であると思いますが、今後の対応についてお伺いいたします。

次に、中学3年生の部活動について。学校再開後は、クラスター対策として部活動にも相当な注意を払い、対外的な練習試合などは当面実施しないとの方針が示されています。それでも多くの子供たちにとっては、新型コロナウイルス感染症が終息すれば、以前のように活動できるとの希望がありますが、中学3年生にとっては修学旅行などの大型行事もなく、部活動も何もしないで引退するようになってしまいます。高校生の大会は埼玉県で検討されているようですが、中学生のための何らかの部活動の成果の場を市で設けてはいかがでしょうか。今後の学校行事の持ち方の視点からお考えをお聞かせください。

公共交通計画について(本市の目指すMaaSの姿・介護型MaaSとAIデマンドバス)

◆照喜納弘志議員 続いて、公共交通計画について、本市の目指すMaaS(マース)の姿について質問させていただきます。昨年6月8日に新たなモビリティーサービスによるまちづくり協議会、略称MaaS協議会が設立され、会長である清水市長は、行政が主体となるP-MaaSを実現していきたいと述べられました。さいたま市の目指すMaaSの姿、また今後の取組についてお伺いいたします。

P-MaaSとは、自治体の公共交通計画に対して、その計画を効率的、効果的に推進するための手段としてMaaSを導入し、政策統合することと理解しています。本市の地域公共交通計画であるさいたま市総合都市交通体系マスタープラン基本計画(さいたまSMARTプラン)には、基本目標としてSMARTな交通体系の構築による集約・ネットワーク型都市構造の実現が掲げられ、その実現のため4つの基本方針が示されています。これらの政策目標の実現のため、MaaSという新しいサービス形態、中でも交通手段の統合レベルとして最上位に位置づけられているP-MaaSは貢献できるとお考えでしょうか。

続いて、今後の取組について。本年2月7日、地域公共交通活性化再生法の改正案が閣議決定されました。改正案では、地方公共団体による地域公共交通計画マスタープランの作成、またMaaSに参加する複数の交通事業者の運賃設定に係る手続のワンストップ化、MaaS協議会制度の創設などが盛り込まれ、MaaSを全国に普及する姿勢が示されました。本市の目指すSMARTな交通体系を構築するためには、多様な交通手段をシームレスにストレスなく利用できることが不可欠で、SMARTプランにも鉄道駅周辺のアクセス向上のため、パークアンドライドの促進などハード面でのインフラ整備が掲げられております。政府の改正案に示されているマスタープランの作成に当たっては、ハードのインフラ整備に加え、ソフト面のインフラとしてMaaSを位置づければ、より効果的に政策目的を達成できるのではないかと思います。本市がP-MaaSを目指すのであれば、政策内におけるその位置づけを明確にした上で、MaaS協議会にて事業者間の調整を図るなどの取組を始めるべきだと思いますが、今後の取組について見解をお伺いいたします。

最後に、介護型MaaSとAIデマンドバスについて質問させていただきます。交通手段の連携を図るソフトインフラとしてMaaSを整備することと併せ、連携を図るべき交通手段の課題として、高齢者の移動支援とラストワンマイルの移動手段の確保が挙げられます。高齢者の移動支援としては、昨年福祉車両を活用したモデル事業が岩槻区で行われ、週1回の買物支援にとどまりましたが、好評だったと伺っております。市民のニーズの一つを解決する手段として高く評価いたします。

しかし、現状では福祉事業者が地域貢献事業として協力しているにすぎず、事業者にとってのメリットは大きくありません。今後全市に展開し、持続可能な事業とするためには、福祉事業者の参入を促す施策と、買物支援にとどまっているサービスを広げる必要があります。太田市のデイサービス施設では、福祉ムーバーと呼ばれる自動ルート作成システムと、SAVS(サブス)と呼ばれるAI自動配車システムを導入し、福祉車両をオンデマンド化し、高齢者の移動支援に活用しています。福祉事業者にとっては、自社の介護施設利用者へ外出サービスを提供することができ、大きなメリットが生まれています。行政としては、システムの導入費用を助成することで事業者の参入を促すことができます。この介護MaaSのシステムを介護事業者だけではなく、広く一般化した移動サービスがAIデマンドバスであり、ラストワンマイルの移動手段として活用が期待されています。次世代型乗合交通の一つとして、AIデマンドバスの実証実験を進め、全市展開とともに高齢者に特化したサービスとしての介護MaaSの導入へと進んでいけば、スムーズな展開ができるのではないかと思いますが、見解をお伺いいたします。

◎清水勇人市長 私のほうからは、照喜納弘志議員の御質問の3、公共交通計画について、(1)本市の目指すMaaS(マース)の姿についてお答えしたいと思います。

本市は、鉄道網が発達していることを背景に、鉄道、バス等の公共交通利用割合が高いことから、地域の状況に応じて商業施設等が集積する鉄道駅周辺まで、自動車に頼らずスムーズに移動できる交通環境を創出するMaaS等のサービスが重要だと考えております。本市は、昨年6月、本市を含む6市1町によりまして、新たなモビリティーサービスによるまちづくり協議会、通称MaaS協議会を設立し、MaaSなどを社会インフラとして活用するまちづくりの取組について検討を進めているところであります。

P-MaaSは今後の少子高齢化などに伴う交通の縮小への対応や、高齢者や障害者の移動手段の確保など、社会的課題の解決に向けて行政が主体となって推進するMaaSであり、アクセス性の高い交通体系や回遊性、快適性の高い魅力的な交通体系の構築など、本市のSMARTプランの基本方針に沿うものであることから、基本目標であるSMARTな交通体系の構築による集約・ネットワーク型都市構造の実現にも貢献するものと考えております。

次に、(2)今後の取組についてお答えいたします。先日、国におきまして改正されました地域公共交通の活性化及び再生に関する法律では、新モビリティーサービス事業として、議員御指摘のように法定のMaaS協議会を組織できるとされたところであります。この協議会は、交通事業者等のMaaS関係者における協議、連携を促進するために、都道府県や市町村が組織するものであり、本市が国に先駆け、6市1町で取り組んできたMaaS協議会の活動を後押しするものと考えております。

また、現在策定中の本市の地域公共交通計画案において、基本方針の一つでありますAI等の技術革新に伴う次世代交通サービスの研究を実現する施策として、MaaSに関する取組を位置づけることを検討しているところであります。今後は自治体主導で幅広い関係者が協力するP-MaaSの枠組みを最大限に生かして、複数の交通事業者やICT事業者など、新しいアイデアを有する民間事業者と連携、協力して新しいモビリティーサービスを具体化することによって、さいたま市版MaaSの社会実装へとつなげていきたいと考えております。

◎阪口進一副市長 続きまして、照喜納弘志議員御質問の3、公共交通計画について、(3)介護型MaaSとAIデマンドバスについてお答えいたします。

高齢者等の移動支援モデル事業につきましては、利用者から満足の声をいただいており、基本的な仕組みとして一定の効果が得られたと認識しております。次世代型乗合交通につきましては、今年度から導入の可能性を検討するとともに、民間事業者と連携したAIデマンドバスの実証実験を促進してまいります。

本市といたしましては、これらの事業により得られる利用状況の分析や効果検証等の結果を生かし、高齢者の移動支援やラストワンマイルの移動手段等、様々なモードの選択が可能となるよう、MaaSを視野に取り組んでまいりたいと考えております。

◎日野徹副市長 照喜納弘志議員の御質問の1、ウィズコロナ、アフターコロナ時代の行政事務についてのうちの(1)行政手続のオンラインワンストップ窓口についてお答え申し上げます。

議員御提案の窓口パッケージ工房のオーダーシートを活用したオンラインワンストップサービスの導入につきましては、システムの導入経費や本人確認の方法等様々な課題があるという認識を持っているところでございます。しかし、国におきまして行政手続のオンライン化が進められていることから、国の動向を注視するとともに、先進市の取組についても研究してまいりたいと考えております。

一方、個人情報を入力し、届出書類が印刷されるシステムにつきましては、既に商品化されていることから、導入自治体の状況を研究し、導入の可否も含め検討してまいりたいと考えております。

◎高橋篤副市長 照喜納弘志議員の御質問の1、(2)RPAによる事務作業の効率化と全庁展開についてお答えいたします。

本市におけるRPAの対応につきましては、議員御指摘のとおり、昨年度の実証実験において業務の効率化に一定の効果が確認でき、今回のコロナ危機のように限りある職員数で業務を継続する手段としても有効であると考えております。

しかしながら、一方で実証実験の中では、RPAのロボット作成に一定のスキルが必要であることも分かってきておりますので、現状ではスキルを有する情報政策部または外部委託により作成を行っているところでございます。今後につきましては、本市にとってより適切な運用方法を検討しながら、引き続き積極的にRPAの拡充に取り組んでまいります。

◎細田眞由美教育長 照喜納弘志議員の御質問の2、教育行政について、(1)オンライン授業と新型コロナウイルス感染症第2波への備えについてお答えいたします。

議員御指摘のスタディエッセンスにつきましては、5月に使用した動画コンテンツのうち、静止画だけの説明だったものは10.7%でございました。スタディエッセンスの作成に際しましては、できる限り通常の授業に近い、教員が直接語りかける動画コンテンツにするよう準備を進めてまいりましたが、現在のICT整備状況におきましては、ユーチューブなどの動画配信サービスを利用するしか方法がございません。そのため、教員の肖像が不特定多数の目に触れることに対して抵抗感を抱くという考え方もあり、そういった場合は、パワーポイントのようなプレゼンテーションソフトのスライドに音声の説明をつけるという方法を取りました。今後は、議員御指摘のとおり、GIGAスクール構想の完成を目指し、その後ぜひインタラクティブなやり取りができる、そんな取組を進めてまいりたいと考えております。

ただいま学校は、段階的ながら教育活動を再開することができておりますが、今後新型コロナウイルス感染症の第2波に襲われた場合については、再度学校を閉じることもあり得ると考えております。そういった場合であっても子供たちの学習保障ができるよう、スタディエッセンスのより一層の充実を図るとともに、子供たち自身のデジタルコンテンツを使った学びのスキルを高めることが大切でございます。今、そのような指導を行っているところでございます。

また、もし第2波が年度内におきまして起こり、そういった場合に同時双方向のオンライン授業を何とか実現するためには、まずは各御家庭のICT環境整備が現在は必要と考えております。ただいま情報端末やインターネット環境が整っていない約3,200家庭の児童生徒に対しまして、民間企業の御協力による端末の貸出し等の支援を行っているところでございます。

次に、(2)生徒の心の問題への対応についてお答えいたします。約3か月にわたる臨時休業という未曽有の経験を耐えた子供たちは、私たちが想像している以上にストレスを抱えております。そのような中、学校を再開し、実は不登校傾向にあった子供たちが登校できているといううれしい報告がある一方、これまで大きな問題を抱えていなかったような児童生徒の心が、大きく揺れているという声が学校から寄せられております。教職員はもとより、スクールカウンセラー等の心理職でさえ予想がつかない状況が起こっております。

教育委員会といたしましては、全ての子供たちが安心して学校生活を送ることができるよう、新たに新型コロナウイルスから子供の心を守ろう、児童生徒の心のサポートの手引を作成し、全市立学校に対してとにかく一人一人の子供の心に丁寧に寄り添うことを指示いたしました。また、子供たちの相談窓口といたしましては、まずは各学校において速やかに心と生活のアンケートを実施し、その結果を丁寧に見取り、迅速かつ適切な対応を組織的に行うよう指示しております。さらに、教育相談室や24時間子どもSOS窓口、7月中旬から実施予定のSNSを活用した相談窓口等、子供たちが発する小さなサインを見逃すことのない体制を整えているところでございます。私は、児童生徒、教職員、そして保護者の皆様に、心が元気ならば勉強の遅れはとり戻せますと繰り返し申し上げておりました。学校再開をした今、まさにこれからが子供たちの心を守るための正念場と捉え、これまで以上に一人一人に寄り添い、つらい経験をした子供たちに対して心の元気を取り戻すべく、学校と連携してしっかり支えてまいります。

次に、(3)中学3年生の部活動についてお答えいたします。現在、市立学校では分散登校を行っておりますが、今後新型コロナウイルスの感染拡大が見られない場合には、6月15日から通常日課に戻し、部活動も段階的に再開してまいりたいと考えております。教育委員会といたしましては、現在各校種の体育連盟や吹奏楽連盟等の関係団体の代表者と、学校の新しい生活様式における新しい部活動の在り方について協議を行っております。その中で、中学3年生の部活動の成果の場についても検討しているところでございます。部活動の大会やコンクール、修学旅行をはじめとする学校行事等が中止や延期となっている中、子供たちに対して何ができるのか、できない学校行事については何で代替していくのがいいかということについて、引き続き各学校の校長とともに協議しながらしっかり決めてまいりたいと考えております。

◆照喜納弘志議員 ありがとうございます。

それでは、私のほうから、RPAの事務作業の効率化につきましては、なかなか進まない政府のデジタルトランスフォーメーションを先取りするくらいの気持ちで取り組んでいただきたい。現場の裁量を大きくしていただきたいという意味は、現場のイノベーションの力を育むという意味もありますので、どうか御検討いただきたいと思います。これは再質問ではなくて意見でございます。どうかよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手起こる)