会議:令和元年6月 定例会 / 役職:議員(公明党さいたま市議会議員団) / 出典:https://ssp.kaigiroku.net/tenant/saitama/SpMinuteView.html?council_id=781&schedule_id=14&minute_id=373&is_search=true

※本年4月の統一地方選挙で初当選しての初めての一般質問です。

令和元年6月11日 定例会(照喜納弘志議員 一般質問)

AIを活用した新交通システムの導入について

◆照喜納弘志議員 公明党さいたま市議会議員団の照喜納弘志です。このたびの統一地方選挙で初当選し、本日この場に立たせていただくことになりました。選挙中、有権者の皆様に訴えてきたこと、市民の皆様の声をもとに初めての質問文を作成いたしました。通告に従いまして順次質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。

初めに、住みやすいまちづくりについて、AIを活用した新交通システムの導入について質問させていただきます。民間の路線バス網を補完する交通システムとして、コミュニティバスと乗り合いタクシーのほかに、今年度からは介護事業者の車両の空き時間を活用した移動手段の実証実験も始まり、交通空白地区、交通不便地区を埋める施策が行われています。しかし、免許を自主返納した高齢者や障害者などの交通弱者が気軽に区役所や病院に行き来するには、さらなる交通網の整備が必要となり、全市民のニーズに応えて最適なルートを確立するためには、莫大な時間、費用、労力が必要になります。その意味で、既存交通網からの距離で設定された交通空白地区や不便地区を埋めるだけでは本当に市民に必要な移動手段を確保することは困難をきわめることが想像にかたくありません。本当に住みやすいまちづくりを実現するため、労力のかかる複雑な計算はAIに任せて、利用者の要求に応じた最適なルートを演算して配車することができるデマンド型の交通システムを導入してはどうでしょうか。

海外では欧米を中心に既に実用化されている技術で、国内でもNTTドコモが2017年3月から実証実験を行い、本年4月から商用提供を開始しています。また、このようなデマンド型の交通システムを導入した上で、既存の多様な交通手段を共存させるためにAI技術を活用して、最適な交通手段を選択することができるMaaS(マース)、モビリティー・アズ・ア・サービスの実用化も提案したいと思います。

8日土曜日には、まるまるひがしにほんで行われた記者会見において、清水市長を会長とするMaaS協議会が設立され、本市と草加市、越谷市、八潮市、三郷市、吉川市、松伏町の埼玉県東部の6市1町が連携して、広域的な新たなモビリティサービスの導入を目指すことが発表されました。そして、国内で初の取り組みとなるMaaSのレベル4に当たるPMaaS、パブリック・マースを目指されたことは、さいたま市民として誇らしく思いました。どうか全国のロールモデルとなれるよう早期の導入を求めます。

このようなAIを活用した交通システムは、交通網の効率化以外に、渋滞緩和、排ガス抑制、高齢者の外出促進など副次的な効果も期待されます。国内外で本格化してきたデマンド型の交通システムとMaaSの導入に向けた本市における今後の取り組みについて、見解をお伺いいたします。

○渋谷佳孝議長 市長

〔市長登壇〕

◎清水勇人市長 照喜納弘志議員の御質問の1、住みやすいまちづくりについて、(1)AIを活用した新交通システムの導入についてお答えしたいと思います。

本市の地域公共交通の課題や将来のあり方につきましては、平成30年3月に立ち上げました地域公共交通協議会において検討を行っております。また、協議会にはバス専門部会も設置されおり、地域の実情に応じた適切な乗り合い旅客運送等について議論を行っております。AIを活用したオンデマンド型の交通システムにつきましては、議員から御指摘のとおり国内でも社会実験や商用提供が始まっておりますので、先行事例を参考としつつ、今後の本市での導入可能性や課題等について検討してまいりたいと考えております。なお、AIを活用するものではございませんが、公共交通の導入が難しい地域において、今年度から高齢者等の移動支援モデル事業を実施いたします。

一方、本市は、首都圏広域地方計画におきまして大宮が東日本の玄関口に位置づけられまして、東日本のネットワークの結節点として、連携、交流機能の強化を図ることが求められております。さらに、県内東部地域との連携や東西交通インフラの強化を図る必要がございます。そのため、先日、私が会長となり、本市と草加市、越谷市、八潮市、三郷市、吉川市、松伏町の6市1町が相互に協力、連携して、MaaSなど社会インフラとするまちづくりを検討することを目的とした協議会を設立いたしました。この協議会を通じて、高齢者、障害のある方の移動や外出の自由の確保、バリアフリー化された優しいまちづくり、公共交通サービスの縮小への対応といった社会的課題の解決に向けた検討、研究を進めてまいるとともに、それぞれの地域の活性化にもつなげていきたいと考えております。これにより広域ネットワークにおける新たなモビリティサービスを導入し、誰もがシームレスで安全で自由に移動することができる社会の実現を目指してまいりたいと考えております。

○渋谷佳孝議長 照喜納弘志議員

〔照喜納弘志議員登壇〕

◆照喜納弘志議員 ありがとうございます。

公共施設のバリアフリーとエレベーター設置計画について

次の質問に移ります。(2)公共施設のバリアフリーとエレベーター設置計画についてであります。住みやすいまちづくりを目指して、もう一点、バリアフリーについて質問いたします。本市においては、平成26年3月にさいたま市バリアフリー基本構想が作成され、現在まで重点整備地区、推進地区を中心にバリアフリー化が進められ、住みやすいまちランキングのトップテンに選ばれるまでになったことは高く評価いたします。しかし、実際に車椅子利用者の視点から見れば、公園入り口の小さな溝や歩道の凹凸や傾斜、通りにくいスロープなど、まだまだ改善すべき点は多く残されています。バリアフリーの受益者である車椅子利用者や視覚障害者の方たちの視点に立って、こうした見えにくい課題の解決に真摯に向き合っていくべきであると考えます。

そこで、今回は、車椅子を利用する高齢者からの御要望が多い公共施設のエレベーター設置について質問させていただきます。平成29年にエレベーターが設置されていない市内の公民館43館に対して設置可能性調査を実施し、16館について設置可能であるとの調査結果が得られました。中央区の大戸公民館もこの16館の中に入っていると聞いております。

一方で、当時設置は不可能とされた公民館27館においては、今後一切エレベーターを設置する可能性は残されていないのでしょうか。例えば小規模建築物用の小型エレベーターや車椅子に対応した階段昇降機などの検討はできないでしょうか。今後の公民館のエレベーター設置の方針について見解をお聞かせください。

○渋谷佳孝議長 副教育長

〔副教育長登壇〕

◎久保田章副教育長 照喜納弘志議員の御質問の1、住みやすいまちづくりについて、(2)公共施設のバリアフリーとエレベーター設置計画についてお答えいたします。

公民館へのエレベーター設置につきましては、平成29年度にエレベーターが未設置の43館に対し設置可能性調査を実施いたしました。本調査は、当該公民館に、さいたま市だれもが住みよい福祉のまちづくり条例等の基準をもとに、エレベーターを設置する場所があるか。設置した場合、既存建築物の耐震性に影響を与えないかなど、図面や現場において委託事業者が確認し、設置の可能性を判断したものでございます。

その結果、43館中16館について、エレベーター設置の可能性があるという結果が得られたため、平成30年度から、2階が入り口となっている3館につきましては順次基本設計業務等を実施していくこととしたところでございます。そのほかの13館につきましては、公民連携等の整備手法や維持管理等を含めたコスト縮減等を検討し、早期に設置できる方法について検討してまいります。

次に、議員から御指摘の設置可能性調査で設置不可となった公民館27館への小型エレベーターや階段昇降機等の設置によるバリアフリー化につきましては、令和2年度に公民館施設の改修、建てかえの時期や方針を定める第2期公民館施設リフレッシュ計画を策定することとしておりますので、その中で検討してまいります。

○渋谷佳孝議長 照喜納弘志議員

〔照喜納弘志議員登壇〕

◆照喜納弘志議員 ありがとうございます。

ゼロ歳から2歳児の幼児教育の無償化の範囲拡大について

次の質問に移ります。2、子育て政策について、(1)ゼロ歳から2歳児の幼児教育の無償化の範囲拡大についてであります。本年10月より始まる幼児教育の無償化は、子供の教育は幼児から始まっているという考え方のもと、全ての市民に平等に幼児教育を提供することは理想であります。しかしながら、ゼロ歳から2歳児においては、住民税非課税世帯のみを対象としてスタートすることになっております。

これまで本市は、子育て楽しいさいたま市を標榜し、さまざまな子育て支援政策を行ってまいりましたが、これからも全国に先駆けた取り組みで、さらに子育てが楽しいさいたま市にしていくことが重要と考えます。例えば本市の多子世帯利用者負担額軽減事業よれば、認可保育所に通う第3子は、第1子の卒園に関係なく無償になっており、かなり先進的な事例と言えますが、10月以降はさらなる軽減事業として、これを第2子まで拡充してはどうでしょうか。

また、給食費、おやつ代など保育料以外に係る費用負担も無視できません。本市独自の支援策として、就学前児童を対象にした幼児教育に使用目的を限定したクーポンを配布する幼児教育バウチャー制度をつくり、保育料を初めとして保育所で行っている各種教室の受講料、おやつ代、給食費、延長保育料などに使えるようにしてはどうでしょうか。見解をお伺いいたします。

待機児童ゼロへの取り組みについて

(2)待機児童ゼロへの取り組みについて。幼児教育の無償化により増加する保育ニーズに対応するため、待機児童ゼロへの取り組みは無償化と同時に進めなければなりません。本市における待機児童数は、本年4月1日現在で393人と昨年より78人増加しています。共働き世帯がふえたことや、さいたま市が子育てしやすいまちということで転入してきた子育て世代がふえたことなどが原因と考えられますが、いずれにしても現状は保育ニーズに十分応えられておりません。さらに、幼児教育無償化を機会に、やはり子供を預けて仕事をしたいという人は、これまでよりも多く出てくることも容易に推測されます。そうした子供たちの受け入れ先を早急に拡充して、確保しなければなりません。しかしながら、本市においては、保育の質の確保の観点から、保育園の設置要件について、国の基準より厳しく設定されており、保育所の設置は進んでおりません。これでは、さいたま市が本気で待機児童ゼロに取り組んでいるとは見えないでしょう。今後の保育ニーズの増加に応えるため、少なくとも保育ニーズの高い重点整備地域においては、この本市独自の設置基準を緩和して国基準に合わせるべきではないでしょうか。特に面積基準や園庭設置に係る駅からの距離基準については、本市独自の基準を緩和すべきだと考えます。

さらに、基準緩和で定員がふえたことによって、同時に保育士や看護師の加配も必要になる場合には、それらの確保のための助成制度も拡充すべきと考えますが、見解をお聞かせください。

○渋谷佳孝議長 子ども未来局長

〔子ども未来局長登壇〕

◎金子博志子ども未来局長 照喜納弘志議員の御質問の2、子育て政策について、(1)ゼロ歳から2歳児の幼児教育の無償化の範囲拡大についてお答えいたします。

初めに、認可保育所における第2子を対象とした多子世帯の負担軽減についてお答えいたします。議員から御指摘のとおり、本年10月から開始される幼児教育・保育の無償化においては、ゼロ歳から2歳児については対象が住民税非課税世帯のみとされていることから、市独自に兄弟の年齢を問わず第2子の保育料を無償化することは、保護者にとって大きな負担軽減につながるものと認識しております。

また、御提案の幼児教育バウチャー制度につきましても、無償化後に引き続き費用負担が残る子育て世帯に対する軽減策になり得るものと考えております。

一方で、国の幼児教育・保育の無償化では、ゼロ歳から2歳児については、待機児童の問題もあることから、当面はその解消に最優先で取り組むこととし、住民税非課税世帯を対象として進めることとされております。本市におけるゼロ歳から2歳児の無償化範囲の検討に当たりましても、保育需要に与える影響や安定した財源確保の必要性、家庭で子育てをされる世帯との関係、また幼児教育バウチャー制度につきましては、埼玉県が多子世帯向けに実施している類似事業との関係など検討すべき課題もございます。いずれにいたしましても、ゼロ歳から2歳児の無償化範囲の拡大に関しましては、10月より始まる幼児教育・保育の無償化による影響を見きわめつつ、他都市の動向も勘案しながら、今後の保護者負担のあり方などを研究してまいりたいと考えております。

続きまして、(2)「待機児童ゼロ」への取り組みについてお答えいたします。本市では、ゼロ歳児の児童1人当たりの保育室面積及び屋外遊戯場について、国の基準を上回る認可保育所の施設基準を設定しております。この基準は、埼玉県から本市に認可保育所の認可権限が移譲される以前に埼玉県が用いていた基準であり、平成15年の政令指定都市移行によって本市に権限が移譲された後も、引き続き安心・安全な保育環境を確保するとの観点から現在まで維持してきたものであります。

一方で、本市の保育需要は増加を続けており、多くの待機児童が生じていることから、保育需要の高い地域において少しでも多くの定員を確保する必要があると認識しております。そのため、現在本市では、浦和駅や大宮駅など、特に認可保育所の整備を推進すべきと認める鉄道駅から半径500メートル圏内においては、駅前型保育所等として施設基準を緩和し、国と同じ基準を適用する措置をとっております。これにより保育需要の高い駅周辺における認可保育所の整備が進みましたが、適地が少なくなり、思うように整備が進まない地域も出てまいりましたので、駅前型保育所等としての施設基準を適用する距離などにつきましては、関係団体の意見なども考慮しながら検討してまいります。また、あわせて、基準緩和を行う場合における保育士や看護師の確保策についても検討してまいります。

○渋谷佳孝議長 照喜納弘志議員

〔照喜納弘志議員登壇〕

母子手帳アプリの導入について

◆照喜納弘志議員 次の質問に移ります。

母子手帳アプリの導入について。母子手帳は、子供の成長記録だけでなく、育児に関する行政の支援情報や予防接種の管理など1冊で行うことができ、母親にとって手放すことのできない重要な手帳です。しかし、最近は母子手帳の内容をスマホに記録できる母子手帳アプリの利用者がふえております。確かに母子手帳がアプリになっていると、いつでもどこでも閲覧できますし、通院時にも忘れることはありません。また、通知機能を使えば予防接種のリマインダーとしても使えます。

こうしたアプリは、幾つかある中で、総務省のPHR、パーソナル・ヘルス・レコード利活用研究事業の母子保健関連分野へ委託されているエムティーアイが提供する「母子モ」の利用者が急速にふえています。母子モは、母子手帳の省令様式に定められた妊娠中の健康記録、子供の成長記録や予防接種管理などの母子手帳機能に加え、月額5万円で業務委託契約を結んだ自治体から子育て支援情報を配信する地域子育て情報機能があります。本市でも既に同アプリを2,000人以上の市民がダウンロードしております。その方々にとって、同アプリと連携して、行政から情報も届くようになれば、喜ばれることは間違いありません。また、希望する人には、現在行われている郵送による通知をアプリでの情報受信に切りかえれば、コスト削減にもなります。妊娠、出産、子育てを切れ目なくサポートするために始まった日本版ネウボラとも言うべき妊娠・出産包括支援センターの事業とも、その方向性は同じくしていると思います。

以上の観点から、母子手帳をお渡しする際に、母子も含めた幾つかの子育て支援アプリを紹介し、スマホになれたお母さんに安心感を与え、行政からもアプリ用の子育て支援情報を配信するよう提案いたします。見解をお聞かせいただければと思います。

新生児聴覚検査の助成について

続きまして、新生児聴覚検査の助成について。生まれつき聴覚に異常があり、適切な支援が必要な新生児は500人から1,000人に1人いると言われています。聴覚の異常が新生児の間に発見できれば、専門家の適切な支援を受け、言葉やコミュニケーション能力の発達を促すことができます。費用は3,000円から1万円程度で、本市においては全額自己負担となっています。

2016年に厚生労働省は、全国の自治体に公費助成を図るように通知し、2014年時点で6.3%の自治体しか助成制度はありませんでしたが、ことしに入って、東京都や大阪市、福岡市が導入するなど、今年度中に43%までふえる見通しです。埼玉県内では、越生町や久喜市で既に導入されています。本市でも、子供たちを守るため、いち早く新生児聴覚検査の公費助成を導入し、受診率を高めるべきであると思いますが、見解をお聞かせ願います。

○渋谷佳孝議長 保健福祉局長

〔保健福祉局長登壇〕

◎清水恒男保健福祉局長 照喜納弘志議員の御質問に順次お答えいたします。

まず、2、子育て政策について、(3)母子手帳アプリの導入についてお答えします。母子健康手帳は、母子保健法に基づき、市町村が妊娠の届け出をした方に対し交付するもので、記載内容等の様式は厚生労働省で定められています。このことから、母子手帳アプリを導入している市町村においても、従来の母子健康手帳の交付は継続されているところです。

議員から御案内のとおり、子育て世代の方は、スマートフォンなどを上手に活用して、さまざまな情報の入手や記録の保存、蓄積を行っているものと認識しております。本市におきましては、予防接種や乳幼児健康診査などの情報提供について、保護者の方が適切な時期を逃すことがないように該当時期ごとに予診票や健診票とあわせて個別に通知を郵送するなど、きめ細やかな対応を行っているところでございます。

また、厚生労働省は、データヘルス時代の母子保健情報の利活用として、来年度から予防接種に加えて、乳幼児健康診査等の個人の健康情報を本人がマイナポータル上で確認でき、転居や進学の際には他の市町村に引き継がれる仕組みの構築を予定しております。本市におきましても、この仕組みを活用できるよう、現在準備を進めているところでございます。こうしたことから、今後とも国の動向を注視しながら、市民の利便性や子育ての安心感に結びつくよう、取り組みについて研究してまいりたいと考えております。

次に、(4)新生児聴覚検査の助成についてですが、聴覚障害を早期に発見し、人工内耳などの治療や早期療育に結びつける新生児聴覚検査につきましては、言葉のおくれの問題を予防できるなど有用性について科学的な根拠が示されており、重要な検査であると認識しております。現在本市においては、新生児の約85%がこの検査を自費で受けているところです。子育て支援の観点からも、全ての新生児に検査を実施させるためのあり方などについて、現在、市内医療機関から意見を伺っているところでございます。今後につきましても、子育て政策として検討、研究してまいりたいと考えております。

○渋谷佳孝議長 照喜納弘志議員

〔照喜納弘志議員登壇〕

◆照喜納弘志議員 次の質問に移りたいと思います。

複式簿記導入の効果について

3、高品質経営の推進について、(1)複式簿記導入の効果についてであります。本市においては、高品質経営プログラムと題して、民間参入による効率化や事務作業の電子化など、さまざまな改革が進められており、すばらしいと思います。今後も他市の模範となる先進的な高品質経営の推進をお願いいたします。

その中で、私は特に申し上げたいのは、健全な財政運営の維持に向けた歳出改革のために事業評価を適正に行い、評価結果への説明責任を果たすという点であります。その足がかりとなるのは、平成28年度決算から始まった総務省主導による統一的な基準による地方公会計マニュアルを適切に運営することだと思います。同マニュアルにより自治体会計に複式簿記の手法を取り入れ、貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書といった財務諸表と固定資産台帳が作成されております。これにより自治体の資産であるストック情報が管理され、行政サービスの利用者1人当たりの行政コストが見えるようになり、適正な事業評価に生かせるものと期待いたします。また、PPPやPFIといった民間参入を促す際の判断材料としても活用できます。まだ始まったばかりの統一的な基準による地方公会計制度ではありますが、全国に先駆けて複式簿記を採用した東京都では、財務諸表の活用で総額1兆円もの隠れ借金が発見され、解消されました。本市においても、大変御苦労されて財務諸表と固定資産台帳を作成されたことと思いますが、それによってどれほどの効果が得られたか、お伺いいたします。

また、これを事業評価に生かすためには、行政コストが適正かどうかの基準がなければ評価のしようがありません。行政コストの適正基準の考え方について見解をお聞かせください。

○渋谷佳孝議長 財政局長

〔財政局長登壇〕

◎櫻井理寛財政局長 照喜納弘志議員の御質問の3、高品質経営の推進について、(1)複式簿記導入の効果についてお答えいたします。

統一的な基準による地方公会計につきましては、議員から御指摘の統一的な基準による地方公会計マニュアルに基づき、本市では平成28年度決算から財務書類等を作成しております。その作成に当たっては、固定資産台帳を整備するとともに、発生主義、複式簿記による仕分けを行っております。

次に、統一的な基準による地方公会計の導入による効果といたしましては、現金主義、単式簿記では把握できなかった減価償却費、退職手当引当金繰入額などの支出を伴わないコストを含めたフロー情報や資産、負債といったストック情報の把握が可能となったことや、同一の基準による財務書類等を作成することにより他団体との比較が可能になったことなどが挙げられます。

また、事業評価への活用につきましては、総務省において事業別行政コストの算出方法など、地方公会計の活用について検討が進められているため、その動向を注視するとともに、本市といたしましても財政運営や政策形成を行う上での基礎資料として、地方公会計の活用が大変有益かつ重要であると考えておりますので、引き続き研究を進めてまいりたいと考えております。

○渋谷佳孝議長 照喜納弘志議員

〔照喜納弘志議員登壇〕

まちピアノ設置について

◆照喜納弘志議員 次の質問に移りたいと思います。

4、文化・芸術振興によるさいたま市のまちづくりについて、(1)まちピアノ設置についてであります。本市は、平成24年にさいたま市文化芸術都市創造条例を施行し、文化芸術活動の促進により地域の活性化を図ってきました。しかし、さいたま市民の意識調査では、さいたま市を文化的なまち、芸術のまちとイメージする市民の割合は、平成30年度の調査で14.1%と、平成25年度の15.0%よりやや下がっています。さいたまスーパーアリーナや芸術劇場を有するさいたま市としては、その潜在力を生かし切れていないように感じます。

そこで、本年10月12日に予定している中央区のアートフェスティバルを機会として、その前後の期間で試験的に区内各地にピアノを設置し、市民の誰もがピアノを弾くことができる、まちピアノの実施を提案したいと思います。こうした取り組みは、2008年にイギリスのアーティストが、「Play Me,I’m Yours」と題して始め、世界中で広がりを見せています。NHKのBS1でも、空港ピアノ、駅ピアノという15分番組が放送され、話題になっています。本市においては、芝浦工業大学の学生が授業の一環として、東大宮のハレノテラスで今月8日、9日の2日間にわたって行われたのが初めてだと思います。

パネルをごらんください。私も日曜日の午後にその様子を見に行き、写真を撮ってまいりました。子供が喜んで弾いております。また、この日は雨でしたけれども、雨にもかかわらず、じっと見ている子供もいます。ピアノをきっかけとした人と人との交流が生まれている様子がうかがえます。これこそ、さいたま市が標榜するさいたま市文化芸術都市創造条例の目的とするところと思いますが、いかがでしょうか。

まず、アートフェスティバルを機会に一つの社会実験として中央区の街角に置き、この結果をもとに、来年3月に予定されているさいたま国際芸術祭でさいたま市全体の取り組みに広げてはいかがでしょうか。市民の皆様に喜んでいただけるのであれば、駅や区役所、病院など常設の検討も価値があると思います。見解をお聞かせください。

○渋谷佳孝議長 スポーツ文化局長

〔スポーツ文化局長登壇〕

◎蓬田潔スポーツ文化局長 照喜納弘志議員の御質問の4、文化・芸術振興によるさいたま市のまちづくりについて、(1)まちピアノ設置についてお答えいたします。

本市では、さいたま市文化芸術都市創造計画において、その基本施策の一つに文化芸術に対する理解及び関心の促進を掲げ、近隣施設や町なかなどの身近な場所で気軽に文化芸術に触れることができる環境づくりに取り組むこととしております。

議員から御提案のまちピアノにつきましては、誰もが気軽にピアノを演奏することができ、その音色を聞く人々もまた一緒に音楽を楽しむことができますので、文化芸術に触れられる環境づくりとして有効な取り組みであり、多くの人々が集まるアートフェスティバルやさいたま国際芸術祭2020を機会に実施することは効果的と考えております。一方で、実施に際しましては、事故防止のための安全管理、ピアノの破損、いたずら防止措置、音響による周辺環境への配慮、費用面等、さまざまな課題が想定されますことから、十分な調査、検討が必要でございます。今後、他都市の事例を参考にしながら研究してまいりたいと考えております。

○渋谷佳孝議長 照喜納弘志議員

〔照喜納弘志議員登壇〕

◆照喜納弘志議員 ぜひ実施してもらいたいと思います。

チャレンジスクールの充実/「2020教育改革」について

次の質問に参ります。5、教育行政について、(1)チャレンジスクールの充実についてであります。本市の教育行政について、本年2月の細田教育長の教育行政方針説明にもあったとおり、さいたま市の子供たちは、成績面で全国トップクラスであるというだけでなく、自己肯定感や自尊意識、規範意識、社会への興味などで肯定的な回答を示すなど、さいたま市は子供たちの健全育成の模範になっています。私自身も、子供の健全育成には地域とのかかわりが重要であると考え、ボランティアとして地元小学校のチャレンジスクールに参加し、積極的に子供たちとかかわってきました。一方で、年々チャレンジスクールに参加する児童が減っており、運営スタッフも不足して、存続が難しくなってきている学校もあります。子供の健全育成のためにチャレンジスクールの持続的発展のために、参加児童の増加、スタッフの充実に関する方策について、見解をお聞かせください。

(2)「2020教育改革」について。社会の行き詰まりの根源は人材の欠乏にあるとは、ある教育者の言葉です。さいたま市に育ち学んだ子供たちから、これからの社会を開く人材に、またさいたま市から世界へ飛び立っていかれる人材を育成するため、教育改革は持続的に取り組まなくてはならないテーマであります。イエナプランやドルトンプランなど欧米の教育メソッドを取り入れた学校が開設されるなど、全国的にもさまざまな取り組みが始まっています。国のアクティブ・ラーニングを取り入れた2020教育改革をスタートさせ、学校教育の現場はその対応に頭を悩ませています。

先日、私は大宮国際中等教育学校の開校記念式典に参加させていただきました。そこでは、生徒は世界に目を開き、社会の問題を主体的に捉え、自分の頭で考える教育が行われているように感じました。2020教育改革の先頭を行く取り組みだと評価いたします。そこには、さいたま市内のその他の全公立中学校で2020教育改革を具現化するためのヒントが隠されているように思われてなりません。それは、子供の目を世界に向けさせる、希望あふれる未来に向けさせるという点であります。幾ら学びの方法が変わった、英語教育を取り入れたといっても、子供にその気がなくては絵に描いた餅です。そう考えたときに、教師の役割は、単なる知識の伝達ではなく、生徒との人間的な触れ合いを通して子供の目をどこに向けさせるか、まさに子供の人格、価値を創造することにあるのではないかと思います。使命を自覚したとき才能の芽は急速に伸びるとは、私の恩師の言葉であります。

教育長の提唱する、未来を拓くさいたま教育、PLAN THE NEXTの3つのG、Grit(グリット)、Global(グローバル)、Growth(グロウス)は、大宮国際中等教育学校において具現化されるものと信じます。2020教育改革の先頭を走るさいたま教育構築のためにその成果を市内全ての公立中学へと広げることが求められていると思いますが、そういう具体的なプランはございますでしょうか。見解をお伺いいたします。

○渋谷佳孝議長 教育長

〔教育長登壇〕

◎細田眞由美教育長 照喜納弘志議員の御質問に順次お答えいたします。

まず、5、教育行政について、(1)チャレンジスクールの充実についてお答えいたします。チャレンジスクール推進事業は、保護者や地域の方々の大きな力に支えられており、子供たちの夢や志を育む上で非常に重要な事業であると認識しております。参加児童・生徒及びボランティアの延べ人数につきましては、平成26年度から平成30年度までの5年間を経年で比較しますと、参加児童生徒数は1万2,402人の増、ボランティア数は4,663人の増となっております。しかしながら、議員から御指摘のとおり、一部のチャレンジスクールにおいては、高学年になるに従って参加児童・生徒数が伸び悩んだり、ボランティア数が不足したりするといった課題があることも伺っております。教育委員会といたしましては、本事業を持続可能な取り組みとするためには、何よりも児童生徒にとって、より魅力的なプログラムを提供していくことが重要であると考えております。

そこで、多様な体験活動等が展開できるよう、大学、企業、NPOなどの関係者から成る講師リストを配布し、活用を促進してまいりました。また、民間のすぐれたノウハウを取り入れた学習及び体験プログラムを提供することができるよう、昨年度からモデル校11校において新たなプログラムを実施し、その効果検証を行ったところ、子供の学びや成長において有効性が確認できたことから、今年度より希望するチャレンジスクールに提供を始めたところでございます。

また、ボランティア確保については、平成30年度より民間の活力を導入し、ボランティアの情報サイト、ボランティアシティさいたまWEBの一層の充実に努めた結果、平成29年度と比較し、登録者が118人増加いたしました。今後につきましても、チャレンジスクールを維持、発展させていくための取り組みをより一層充実させてまいります。

次に、(2)「2020教育改革」についてお答えいたします。どのような時代を迎えようとも、子供たち一人一人が学ぶ意欲を持ち、社会の問題を主体的に捉え、さまざまな課題や困難を乗り越え、物事をなし遂げていく形を育むことは、議員から御指摘のとおり、2020年の教育改革で求められる力そのものでございます。開校記念式典に御出席いただいた大宮国際中等教育学校は、国際的な教育プログラムであるIBの掲げる理念を教育哲学として、国際的な視野に立ち、自立した学習者を育てる新しい学校として、本年度開校いたしました。

こうした中等教育学校の理念と軌を一にいたしまして、教育委員会では昨年度、第2期さいたま市教育振興基本計画のアクションプランを策定したところでございます。その中に掲げたアクティブ・ラーニングの推進やグローバル・スタディの推進事業、教育の情報化推進事業など、61の事業、取り組みを積極的に推進することにより、さいたま市の全ての子供たちにGrit、やり抜く力、Growth、生涯学び続ける力、Global、国際社会で活躍できる力という教育改革の柱となると考えられる3つの力をつけてまいります。

教育委員会といたしましては、21世紀を駆け抜け22世紀を見据えたこのアクションプランのもと、変化の激しい時代を生きる子供たちに未来社会で生き生きと活躍できる力を育成し、本市から世界へ飛び立つ人材を育んでまいりたいと考えております。